Alexander Rosenberg "Philosophy of Social Science 4th edition" 科学哲学では線引き問題とか理論的対象の実在論争の他に、個別科学の哲学といって「生物学の哲学」とか「心理学の哲学」なんて分野がある。本書は「社会科学の哲学」のイントロダクション。 初期の科学哲学というのは主に理論物理学を分析対象にしていて科学という営みの性質を見落としていたという経緯がある。今はそれほどでもなくなったけれどまだ「自然科学」を分析対象にした科学哲学に偏っていて、そんな中科学哲学者が社会科学に目を向けるようになるのはいい傾向だと思う。 というのも社会科学界隈ってどうも「エヴィデンスがねぇぞゴルァ」みたいなツッコミをよく見かけて、そういうツッコミが有効な局面もあるとは思いますけれども、それとは別に、たとえば議論を再構成して、整合性の検討をしたり、使われてい