岡谷市川岸東の宮沢紀子さん(71)の自宅の土蔵から、三省堂(東京)が1911(明治44)年に発行した国語辞典「辞林」と、15(大正4)年発行の漢和辞典「漢和大字典」が見つかった。同社によると当時、辞書は高価で、一般家庭に良好な状態で保存されているケースは珍しいという。古びたページから、約100年間の言葉の移ろいを知ることができる。 宮沢さんがことし1月、土蔵を整理していたところ、戸棚から見つかった。宮沢さんの夫の曽祖父は地主だったというが、購入の経緯ははっきりしないという。 2冊とも、表紙や中身に破れはなく、字もはっきり読める。このうち辞林は1661ページ。「総理大臣」を引いてみると「内閣総理大臣の略言」のほか「何も彼(か)もの世話を焼く人をあざけりていふ語」との表記も。「自動車」は「形は殆(ほとん)ど馬車のごとく、瓦斯又(ガスまた)は電気発動機を装備し…」。カタカナ語は「タイヤ」(ゴ