1.本質主義批判と異種混淆性論 ポストモダン人類学と呼ばれる人類学の潮流は、文化の本質主義批判から始まったと言えるでしょう。本質主義とは、文化によって規定された人間分節(人種や日本人やマサイ族といった民族、あるいは女性やゲイなど、ジェンダーやセクシュアリティに結びつく分節)をそこに帰属する人々の変わらぬ本質と捉えるとか、先住民族のエコロジカルな文化などというときの文化のカテゴリーを土地や民族と本質的に結びついたものと見なす思考を言います。そのような本質主義への批判は、文化の「異種混淆性(ハイブリディティ)」と「脱領土化( deterritorialization )」(ガルシア=カンクリーニの定義によれば、「文化と、地理的・社会的領土[テリトリー]の『自然』な絆の喪失」)への肯定的評価という論点を伴っていました。つまり、「あらゆる文化は構築されたものであり、異種混淆的であり、土地を離れて移
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