オーストラリア・ニューサウスウェールズ(New South Wales)州北部で2011年に見つかった白人男性の頭蓋骨(2013年7月1日公開)。(c)AFP/DANIEL CUMMINS 【7月2日 AFP】オーストラリアで数世紀前のものとみられる白人男性の頭蓋骨が見つかり、豪東海岸に最初に上陸した欧州人は18世紀英国の探検家、「キャプテン・クック(Captain Cook)」ことジェームズ・クック(James Cook)船長だとするこれまでの定説を疑問視する声が上がっている。 頭蓋骨は2011年、ニューサウスウェールズ(New South Wales)州北部で見つかった。警察は当初、猟奇的な殺人事件として捜査を行う予定だったが、科学分析の結果、その頭蓋骨は予想以上に古いものだったばかりか、1650年頃に生まれた白人男性のものである可能性が高いことがわかった。エンデバー(Endeavou
月は、人間の想像力をどのように刺激してきたのだろう。ドイツのノンフィクション作家が歴史をふりかえった。現在までに得られた科学的知識をふまえ、豊富な逸話や挿画から人類の意識の奥底をあぶりだす。 北米インディアンの言い伝えによると、狼が歌うと月が生まれたという。古代ギリシアの頃より、月には生命が宿り、人や動植物が地球のものよりはるかに大きく美しく生育する理想郷だと考えられていた。しかし望遠鏡が作られ、精密な月面図が明らかになる19世紀を境に、文学に描かれる月の住人たちは奇怪で凶悪な姿となる。20世紀には、月面着陸の事実そのものを否定するNASA陰謀説まで登場した。月への特有の想いには、人類の時代ごとの夢や希望が映し出される。 18世紀末のベルリンには月頼みの超自然的治療で繁盛していた医者がいて、いかさま師と呼ばれていた。だが、これは意外に科学的で、生命のリズムは月と重なる。新月の直前に切られた
1990年代以降のソ連と社会主義圏の解体以後、思想は死んだ。ドストエフスキーとマルクスを考えていくなかで、「神」「解放」「自由」「革命」「素朴」などの概念を問い、最後に「… ドストエフスキーとマルクス/秋の思想 かかる男の児ありき [著]河原宏 著者は今年の2月28日に、83歳の人生を閉じた。その死を惜しむかのように、6月に2冊の書が刊行された。両書に通じているテーマは、青年期に戦争を体験したがゆえの〈生きる価値とは何か〉と、〈人と人との紐帯(ちゅうたい)としての「信」は可能か〉といった点に収斂(しゅうれん)されるのではないかと思える。 敗戦時に17歳で海軍機関学校の生徒だったという。著者は自身の立場を特別に「天皇」のために死ぬとは思っていなかったが、「国」のために命を捨てることが自問自答の末に辿(たど)りついた生の意味だったと明かしている。しかし敗戦という事態に立ち至ったとき、この17歳
(現代書館・2730円) ◇欧米に現れた「人間を計る科学的手法」の功罪 特異な観点を備えた書物である。標題は「近代のまなざし」とあるが、まなざしの赴くところは人間である。つまり十九世紀以降、西欧に生まれた「新しい人間観」と、それを支えた「科学的手法」に焦点を据えたのが、本書ということになる。 十九世紀西欧での一つの事件は、ダーウィンの生物進化論の提唱と普及である。ダーウィンは黒人奴隷の問題に強い関心を抱き、奴隷解放の強い志を持っていたが、そのこと自体、当時すでに黒人の生物学的な立場が議論されていたことを意味する。例えば<mulato>というスペイン系の言葉(白人と黒人の第一代混血)があるが、これはウマとロバの第一代雑種「ラバ」に当たる<mulo>から造られた。第一代雑種に生殖能力があるか、ないか、それが議論されてもいたのである。ダーウィンの進化論提唱の裏に、こうした議論への強い反発があった
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