「赤木屋証券」の看板は下ろすが、喫茶店としての火はともし続ける=東京都中央区日本橋2丁目の同社本社 【湯地正裕】創業90年の老舗中堅証券「赤木屋証券」(本社・東京都中央区)が来月末で廃業することがわかった。証券会社としての看板は下ろすが、会社は存続し、当面、証券街・兜町にほど近い本社ビルに昨年秋オープンした喫茶店「赤木屋珈琲(コーヒー)」を続けていくという。 赤木屋証券は1922(大正11)年の創業。株式相場の低迷や、手数料の自由化で経営環境が厳しくなるなか、自社の資金を使った株式売買を細々と続けてきた。だが、東京証券取引所が一昨年に導入した高速の売買システムについていけず、利益が出しにくくなっていた。 喫茶店は、空いた本社ビルの営業スペースに開業。こだわりのコーヒーの味が人気を集めている。「今後は喫茶店などを軸に、形を変えながら証券業以外の様々な事業をやっていく」(広報)という。