悪夢の再来 10月15日、福島の8人のコメ農家が農地の原状回復を求めて東電を訴えた裁判の差戻し審。福島地裁で降りた判決は、まるで悪夢の再来のようだった。 「原告の訴えの予備的請求2及び3を棄却、予備的請求4を却下する」 えっ、たったこれだけ? 読み上げるのに10秒もかからなかった。 「裁判長、理由を!」 呼び止める花澤弁護士の声に応えることもなく、裁判官らは黒い法衣を翻し、我々に背を向け法廷を立ち去っていった。 「また逃げた」 それは2年半前、2017年4月14日。郡山支部で最初の一審判決が降りた時と同じまるで光景だった。 この裁判が始まったのは、2014年10月14日。原告団の訴えは、 ①原発事故由来の放射性物質を全て除去せよ ②①が認められなければ、原告らの農地に含まれるセシウム137を50Bq/kgまで低減せよ。 ③②が認められなければ、30㎝の土壌を取り除き、10㎝の耕盤層を造成し