日本と韓国は海を隔てながらも世界的にみれば隣国である。にもかかわらず、両国はそれぞれ独自の食文化をはぐくんできた。現代では韓国でも「すしにワサビ」は浸透していて、ワサビの存在は広く知られている。 キムチ、チゲ、ビビンパなど、主に香辛料としてトウガラシが用いられた韓国料理も、すでに深く日本の食シーンに溶け込んでいる。近年文化的な交流はますますさかんになり、垣根はずいぶん低くなったように見える。 そんななか、韓国人と日本人によるある研究結果に注目した。韓国人と日本人を対象にした、種種の香辛料に対する印象調査である。その結果、日本人の辛味嗜好性はワサビ嗜好性と、韓国人の辛味嗜好性はトウガラシ嗜好性と一致するデータが得られた。 この結果が示すところは、韓国では辛い食べ物が好きな人はトウガラシが好きな人が多く、日本では辛い食べ物が好きな人はワサビが好きな人が多い、という結論である。 これは、表現を変