無名のデザイナーNUNOHENGEです。 マダムロックは、同期のベテランミシンさんとは良いコンビ。 二人で夜更けまで、語り明かしたこともあったよね。 でも、ある日マダムロックが言ったのさ。 「へんちゃん、私もう疲れたわ」 まだまだ、走れると思うけどね。 うん。わかったよ。 ゆっくりおやすみ。 後任にやって来たのは、このロック野郎。（言い方が昭和） ほつれを許さない、滑らかな走り。 心の中でシャウトしながら、スピードを上げる。 ロックミシンは、布端がほつれないようにかがるミシンです。ちょっと、今着ている洋服の裏側を見て下さい。 ほら、ロックミシンが良い仕事してるでしょ？ （写真はわかりやすいように、目立つ色の糸で縫っています） ジグザグミシンでも、いいんじゃないかって？ いいえ、ロックミシンのほうが布端がほつれにくいんです。 このロックミシンを購入する際、もっとお手頃価格のミシンがありました

無名のデザイナーNUNOHENGEです。 私は自分の職業を説明するのに、面倒くさいのでデザイナーと言っています。 すると「あーら、すごい」と、言われることが結構あります。 すみません。全然すごくないですよ。 服飾関係だと、デザイナーと名乗る人が大勢いて。 （勿論、他の業種のことはわかりません） その中には、絵しか描けない人や縫製が全然わからない人も。 （量産からは永らく遠ざかっているのでそちらのほうはわかりません） 一方私は何でも屋なので、それを全部一括りでデザイナーと名乗っています。 実際には、駅前商店街にあった小さな仕立て屋さんに近いイメージでしょうか。 色々な会社に所属させて頂いたお陰で、多くの人々と関わることで仕事の引き出しを増やすことが出来ました。 デザイナーは、裏方です。 勿論主役は、ドレスを着るあなた。 何でも屋デザイナーは、素材を運んだり体を使う力仕事もします。 そんな、ガ

無名のデザイナーNUNOHENGEです。 君はいつも軽やかに、私の左手に巻き付いているよね。 見た目はとても小さいけど、安全を守る大事な仕事をしているんだ。 その、チェック柄もいいね。 これは市販のピンクッションですが、好みの大きさ硬さに手作りする同業者もいます。 昔は針が錆びないように、中に人毛が入っていたそうです。 この、ピンの挿し方あれっと思いました？ 横6本×縦5段で1マス30本ずつ挿しているんです。 1本でも行方不明にならないように。 初心者の方に縫製指導する際は、必ず針の紛失に気を付けるように申し上げております。（ここまでは押しつけませんが） 会社によっては、使用する待ち針の指定を受ける場合もあります。 たとえば、これは25年前に使用していたものですが これ、頭に鈴が付いてるんです。 外し忘れると音が鳴りますから。 最近は、もっと頭の鈴が小さいものも多いですね。 私は仕事終了時