「こんなことはこれまでなかった」 国際原油取り引きに詳しい専門家の言葉です。 ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアの石油が、なぜか世界有数の産油国であるサウジアラビアに流れ込んでいるとの情報を聞き、取材を重ねました。膨大な貿易データを読み解くと、産油国どうしのしたたかな戦略が透けて見えてきました。 (ドバイ支局記者 山尾和宏) やまぬロシアの軍事侵攻 財源は石油 ロシアの軍事侵攻はとどまるところを知らず、最近はウクライナ産農産物の輸出を巡る合意の履行を停止。ロシア軍はウクライナ南部の輸出拠点であるオデーサへの攻撃を続けています。 ロシアに攻撃された ウクライナ オデーサ(2023年7月) こうしたロシアの軍事作戦の財源となっているのが石油の輸出による収入です。 欧米の制裁が効いてきた? 軍事侵攻前、ロシアの予算に占める石油収入の割合は30%から35%でした。 しかし、日本を含むG7=主要7
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