ブックマーク / book.asahi.com (5)

  • 書評:世界の権力者が寵愛した銀行―タックスヘイブンの秘密を暴露した行員の告白 [著]エルヴェ・ファルチャーニほか - 諸富徹(京都大学教授・経済学) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書

    世界の権力者が寵愛した銀行 タックスヘイブンの秘密を暴露した行員の告白 著者:エルヴェ・ファルチャーニ 出版社:講談社 ジャンル:金融・通貨 「事実は小説より奇なり」とは、まさに書のことを指すのか。これは、世界最大級の銀行HSBCから、約13万人分の機密顧客リストを引き出した元行員の物語だ。各国政府によるHSBCへの訴追、巨額罰金へとつながり、スイスの銀行の守秘性に大打撃を与えた。 それにしてもなぜ、著者は巨大銀行への挑戦を決意したのか。彼はモンテカルロで育ち、銀行員の父を通して銀行とは何か知る。カジノ勤務で資金洗浄の実態を知り、資金監視の重要性を痛感した。請われてHSBCで働き始め、行内の情報システム構築に携わった彼は、「何のために」という問いに直面する。 銀行の中を、巨額の「汚れた金」が通ってタックスヘイブンへ向かう。堅牢な情報システムで監視すればこれほど有効な道具はない。だが正直な

    書評:世界の権力者が寵愛した銀行―タックスヘイブンの秘密を暴露した行員の告白 [著]エルヴェ・ファルチャーニほか - 諸富徹(京都大学教授・経済学) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書
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    otakky 2015/11/24
  • 「ハリウッド・スターはなぜこの宗教にはまるのか」書評 困惑にじむ、貴重な取材報告|好書好日

    ハリウッド・スターはなぜこの宗教にはまるのか 著者:ジョン・スウィーニー 出版社:亜紀書房 ジャンル:哲学・思想・宗教・心理 ハリウッド・スターはなぜこの宗教にはまるのか [著]ジョン・スウィーニー はやりの自己啓発書みたいなタイトルだけれど、原題は「恐怖の教会」(The Church of Fear)。サイエントロジー教会という新興宗教に対する取材経験をつづったルポだ。 ちょっと邦題詐欺のようなところがあって、トム・クルーズやジョン・トラボルタといった名だたるハリウッドスターがこの宗教に「なぜはまるのか」という理由は解き明かされていない。けれど、貴重な取材報告であることは間違いない。 アメリカのSF作家、L・ロン・ハバードがつくったこの宗教は、精神医学を否定し、独自の歴史観を有している。7500万年前、銀河連合の長である「ジヌー」は、セイタンと呼ばれる生命体を地球に送り、火山の中で水素爆

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    otakky 2015/02/24
  • 「男色の日本史」書評 正面から向き合い、真摯に分析|好書好日

    男色の日史 なぜ世界有数の同性愛文化が栄えたのか 著者:ゲイリー・P.リュープ 出版社:作品社 ジャンル:社会・時事・政治・行政 男色の日史―なぜ世界有数の同性愛文化が栄えたのか [著]ゲイリー・P・リュープ あったことは感得できる。けれど、どう説明したらいいのか分からない——ということが、歴史にはよくある。その昔は中世の仏教がそうであった。八百万(やおよろず)の神々を祀(まつ)る朝廷で盛んに法会が催され、僧侶が政治的影響力をもつ。これを1970年ごろ、黒田俊雄は「権門体制論」の中でスパッと説明してみせた。 仏教寺院を一大拠点として隆盛を見た(この点でキリスト教の教会とは異なる)男色(なんしょく)も、まさにそうしたものである。高貴な階層から庶民まで、日人は男色を好んだ。これは疑いなさそうだ。でも、その理由は? 実態は? そこで書の出番と相成る。 日史を専攻するタフツ大学教授による

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    otakky 2014/10/14
  • 「スターリン―「非道の独裁者」の実像』書評 20世紀はどんな時代だったのか|好書好日

    スターリン 「非道の独裁者」の実像 (中公新書) 著者:横手 慎二 出版社:中央公論新社 ジャンル:新書・選書・ブックレット スターリン―「非道の独裁者」の実像 [著]横手慎二 20世紀のある時期に誕生し、70年余の生命を保ち、そして崩壊したソ連の社会主義政権。その前半期を担ったのがスターリンである。彼の没後、指導部の一員だったフルシチョフは、「粗暴、大粛清、軍事的失敗、個人崇拝」の4点を挙げて、スターリン批判演説を行った。 同時代史の中でゆれ動くスターリン像から少しずつ客観的、歴史的に実像が練られている。書は未公刊の資料は使用していないが、近年ロシアで明かされている文書も引用して、新たに実像に迫る意欲的な書である。フルシチョフの批判は、ある面では適切でないことがわかる。 たとえば1936年から38年までの間に、政治上の理由で逮捕された者は134万人余に及ぶが、そのうちの68万人余が粛清

    「スターリン―「非道の独裁者」の実像』書評 20世紀はどんな時代だったのか|好書好日
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    otakky 2014/10/14
  • 「海を渡った人類の遥かな歴史」書評 冒険性を否定する、人と海との親密さ|好書好日

    海を渡った人類の遙かな歴史 古代海洋民の航海 (河出文庫) 著者:B.フェイガン 出版社:河出書房新社 ジャンル:一般 海を渡った人類の遥かな歴史―名もなき古代の海洋民はいかに航海したのか [著]ブライアン・フェイガン 人間の住む世界から遠く離れた北極の氷の中や太平洋に浮かぶ孤島を訪ねた時、いつも考えることがあった。はるか昔、何千、何万年という昔に、海図も六分儀もないのに、ここまで来た人たちがいたのだ。水平線のはるか向こうを目指した古代の人たちの胸の内に思いをはせた時、私はいつも心が震えるような思いがした。 陸地を離れて海へ出る。人類がアフリカを出て世界へ拡散していく歴史の中で、それは確かに最も想像力を刺激する一歩だった。書はそのことについて書かれただ。歴史の教科書に太字で記される華々しい海戦や探検家の航海について触れたものではない。天体を見て遠洋に漕(こ)ぎ出したポリネシア人や、大三

    「海を渡った人類の遥かな歴史」書評 冒険性を否定する、人と海との親密さ|好書好日
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    otakky 2013/06/25
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