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ブックマーク / synodos.jp (10)

  • 漫画村異聞――海賊版の前向きの解決/田中辰雄 - SYNODOS

    海賊版サイトであった漫画事件に2021年6月判決が下り、運営者は懲役3年の刑が言い渡された。判決文は「著作物の収益構造を根底から破壊し、文化の発展を阻害する危険性をはらんでおり」と厳しい口調で述べている。 漫画村が著作権法違反であることは間違いない。しかし、文化の発展という観点から見てこの形の解決が前向きと言えるかどうかには疑問がある。前向きの解決は、漫画村をこの世から消去するのではなく、出版社自身が漫画村的なことをはじめることではあるまいか。以下、漫画村の被害額の推定を行いながら、問題を再考して見よう。なお、以下述べることは、秋に刊行予定の『知財のフロンティア』(田村・山根編、勁草書房刊)のなかの拙稿の要約である。詳しい議論はそちらを参照されたい。 まず、漫画村の被害額を個人への調査で推定してみよう。そのため、漫画村閉鎖の前後の比較を行う。漫画村は2018年4月に閉鎖されている。漫画

    漫画村異聞――海賊版の前向きの解決/田中辰雄 - SYNODOS
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    otani0083 2021/06/24
  • 誤解だらけの「日米地位協定」/山本章子 - SYNODOS

    在日米軍が事故や犯罪を起こすとニュースに登場する日米地位協定。名称は聞いたことがあるけれど内容はよく知らない、という人が多いのではないでしょうか。まして、協定の条文そのものを見たことがある人は、そんなに多くはないでしょう。でも、どうも問題があるようだ、そう思っている人は少なくないはずです。 日米地位協定の問題が日全国で広く共有されるようになったのは、1995年以降のことです。意外と最近ですね。 きっかけは沖縄で起きた事件でした。米兵三人が沖縄の商店街で12歳の小学生一人を拉致し、人気のない海岸まで連れていき、レイプしたのです。三人は拘束されましたが、米軍が身柄を確保し、起訴するまでは日の警察に引き渡さないという態度をとります。米軍は沖縄県警による三人の取り調べにも非協力的でした。 日国内で起きた日人が被害者の犯罪で、どうして被疑者の身柄確保も通常の取り調べもできないのか。日米地位協

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  • 「趣味の歴史修正主義」を憂う/大木毅 - SYNODOS

    拙著『独ソ戦 絶滅戦争の惨禍』(岩波新書)を上梓してから、およそ3 か月になる。幸い、ドイツ史やロシア・ソ連史の専門家、また一般の読書人からも、独ソ戦について知ろうとするとき、まずひもとくべき書であるという過分の評価をいただき、非常に嬉しく思っている。それこそ、まさに『独ソ戦』執筆の目的とし、努力したところであるからだ。 残念ながら、日では、ヨーロッパにおける第二次世界大戦の展開について、30 年、場合によっては半世紀近く前の認識がまかり通ってきた。日のアカデミズムが軍事や戦史を扱わず、学問的なアプローチによる研究が進まなかったこと、また、この間の翻訳出版をめぐる状況の悪化から、外国のしかるべき文献の刊行が困難となったことなどが、こうしたタイムラグにつながったと考えられる。もし拙著が、そのような現状に一石を投じることができたのなら、喜ばしいかぎりである。 しかし、上のような事情から、日

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    otani0083 2019/11/18
  • 京都大吉田寮問題とはなにか――大学自治の行方/広瀬一隆 - SYNODOS

    自由な研究と教育が重んじられる大学で、管理強化が進んでいる象徴なのだろうか――。京都大は、現役では日最古の学生寮「吉田寮」の旧棟と堂からの立ち退きを求めて寮生を相手に京都地裁へ提訴、7月4日に第一回口頭弁論が開かれた。訴訟に至るまでの大学執行部と寮生側の対立を取材してきた地元紙記者として、一連の動きは大学の変質を告げているように感じられてならない。 「対話」を根幹とした教育を掲げる京都大でなぜ、大学側が学生を訴えるという事態に至ったのか。学生との対話をなおざりにする大学が、社会と対話して独自の研究や教育を続けられるのだろうか。 「一部の学生が騒いでいるだけ」と突き放すこともできる。もちろんそうした面はあるだろう。だが私は、吉田寮で進行している状況をそう簡単に片付けるわけにはいかないと考えている。大学自治の行方を占う上で重要な問題を孕んでいるからだ。 7月4日午前11時半。京都地裁でもっ

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  • 西洋史=世界史をこえて――アジア史を基軸とした世界史を構想する / 『世界史序説』著者、岡本隆司氏インタビュー | SYNODOS -シノドス-

    西洋史=世界史をこえて――アジア史を基軸とした世界史を構想する 『世界史序説』著者、岡隆司氏インタビュー 情報 #新刊インタビュー#アジア史#グローバル・ヒストリー 近年、新しい世界史やグローバル・ヒストリーと銘打った書物が数多く出版されている。そこではかつてのヨーロッパ中心の進歩史観から解放されて、18世紀以前の「豊かな」アジアにもしかるべき地位が与えられているように見える。しかしそれすらも、西洋史=世界史という枠組みにいまだ留まっているのだ。新しい世界史を構想するためには、アジア史を組み込まなければならないとする岡隆司氏に話を伺った。(聞き手・構成/芹沢一也) ――『世界史序説 アジア史から一望する』(ちくま新書)では、東洋史を組み込んだ新しい世界史が提唱されています。 世界史ははじめ、西洋人「世界」の歴史でした。西洋人の目の及ぶところ、足を踏み入れたところ、大事だと考えたもの、そ

    西洋史=世界史をこえて――アジア史を基軸とした世界史を構想する / 『世界史序説』著者、岡本隆司氏インタビュー | SYNODOS -シノドス-
  • 特集:沖縄/荻上チキ責任編集 α-Synodos vol.222 - SYNODOS

    地上戦を経験し、焦土と化した沖縄。たくましいオバァたちが、戦後復興を支えてきた。その沖縄が、今、再開発で変わりつつある。失われていく沖縄の風景、そして心、アイデンティティ。変わりゆく姿は、沖縄社会に軋轢を生んでいる。広がる格差、県内での対立。殺伐とする社会の中で、次の世代につないでゆくべき沖縄の姿とは。沖縄に関する多数の著書を執筆されている作家の仲村清司氏に伺った。(取材・構成/増田穂) ◇ヤマトにもウチナーにも溶け込めない ——仲村さんはご両親が沖縄のご出身で、ご自身は大阪のお生まれですよね。現在は那覇にお住まいとのことですが、何がきっかけで沖縄に移住しようと思ったのですか。 僕は大阪の中でも此花区という、沖縄出身者や在日コリアンが多い地域で育ったんです。学校に行けば4人に1人は被差別民族でした。大阪は今でも同和政策がありますが、当時も差別は多く、自然に部落の問題や自分のルーツである「沖

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    otani0083 2017/06/18
  • なぜ沖縄の若者たちは、地元と暴力から抜け出せないのか?/打越正行氏インタビュー - SYNODOS

    沖縄の下層の若者たちは、剥き出しの暴力に支配された地元や職場からなぜ抜け出せないのか? それは生活様式や「文化」の問題ではなく、産業構造や経済の問題だと語る打越正行氏に話を伺った。(聞き手・構成/芹沢一也) ――打越さんの研究について教えてください。 私は、若者文化、なかでも暴走族、ヤンキーの若者の文化について研究しています。そうした若者たちと活動をともにし参与観察をしたり、彼らに生活史インタビューを行ってきました。 暴走族のバイク倉庫に通い、建築現場で一緒に汗を流しながら、彼らの生活と仕事について調べるんですね。そのなかで、彼らが建築業や風俗経営業、違法な就労などといった、厳しい生活や仕事になぜ就くようになるのか、つまり沖縄の下層若者の就労をめぐる再生産過程に関心を持ちました。 沖縄には「ゆいまーる」という、相互に友好的に助け合う「つながり」があるといわれます。ところが、調査を進めていく

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  • 「比較しろ」って簡単に言いますけどね――質的調査VS量的調査/岸政彦×筒井淳也 - SYNODOS

    社会学の中でも質的調査と量的調査の間には壁がある!? 生活史を中心とした質的調査を行っている岸政彦氏と、計量を使った量的調査が専門の筒井淳也氏が「ずっと前から内心思っていたこと」をぶつけ合う。遠慮なしのクロスオーバートーク。(構成/山菜々子) 筒井 ぼくと岸さんはなかなか、普段は会う機会が少なくて、こうして二人で話をするのははじめてですね。たぶんパーソナリティも違うし。 岸 同じ社会学の中でも、ぼくは生活史を中心とした質的調査、筒井さんは計量を使った量的調査をしています。 普段はあまり交流のない二つの分野ですが、今日は、お互いに思っていることを遠慮なく話し合ってみたいと思います。社会調査は質的調査と量的調査に分かれていると、筒井さんは感じていますか。 筒井 分かれているんじゃないでしょうか。「あなたは質的の人? 量的の人?」という聞き方をしますよね。もちろん、共通点はありますが、質的と量

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  • なぜ教員を続けるのか――沖縄の非正規教員の語りからみえてきたもの/上原健太郎 - SYNODOS

    非正規教員が増加している。 2014年7月6日付の読売新聞(朝刊)では、各地の公立小中学校で非正規教員が増加し、約12万人と全体のおよそ16%を占めていることが報じられた。まさに、6人に1人が非正規の教員である。 なぜ、非正規教員(注1)が増加しているのだろうか。詳細な説明については、拙稿「正規教員を目指すことはいかにして可能か——沖縄の非正規教員を事例に」(2016、『都市文化研究』Vol.18、pp.71-83)をご参照いただきたいが、ここでは、その問題を端的に言い表した次の金子真理子(2014:45)の指摘を引用しよう。 教員給与制度改革の経緯を振り返れば、地方の財政状況の悪化のなかで、予算を縮減しながら効率化を図ろうとする思惑が見えてくる。ここには、正規教員の仕事を非正規教員に代替させる搾取の構造が見え隠れする。 財政的な事情により生み出された非正規教員。となると、教員志望の若者の

    なぜ教員を続けるのか――沖縄の非正規教員の語りからみえてきたもの/上原健太郎 - SYNODOS
  • 図書館は格差解消に役立っているのか?/片山ふみ・野口康人・岡部晋典 - SYNODOS

    映画『スリーパーズ』(Sleepers)の主人公の一人であるマイケルは、ヘルズ・キッチン(地獄の調理場)と呼ばれるスラムで育ったが、少年院の図書室において独学で勉強し、地方検事になった。このようにアメリカ図書館は、あらゆる人が無料で利用できる開かれた教育施設であり、極端な例を挙げればホームレスが億万長者になるような階層の流動化に寄与する役割をもつとされている。(注) (注)たとえば、ジャーナリストの菅谷明子は、著書『未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告―』のなかで、ニューヨーク公共図書館が情報へのアクセスを担保し、個人の力を伸ばし、コミュニティを活性化させている実例を鮮やかに報告しており、同様の議論は図書館情報学者の川﨑良孝もおこなっている。 つまり、「富めるものはますます富み、貧しきものはますます貧しくなる」という、いわゆる「マタイの原則」を打破する存在として図書館は期待されてい

    図書館は格差解消に役立っているのか?/片山ふみ・野口康人・岡部晋典 - SYNODOS
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