筆者がデジタルレコーダーなどの映像機器レビュワーとしてそこそこ仕事がもらえているというのは、やはり長らく放送の仕事をしてきたというのが大きな要因だろう。民生機のレコーダーをプロの現場で使うわけではないが、「録画を商売にしている」となると、見るべきところも必然的に違ってくる。 プロ用レコーダーで「画質が良い」と言えば、すなわち「入力に対して忠実である」ということになる。つまり、限りなく信号に手を加えずにそのまま記録し、再生できることがベストなわけである。 だがコンシューマー用デジタルレコーダーの「画質が良い」は、元々S/Nの悪いアナログ放送波をさらに圧縮記録するために、「入力に忠実」ということは最初から無理だ。したがってそこに独特の、「絵作り」という要素が入ることになる。 筆者のレビューでは、レコーダーの画質に関してはあまり積極的に批評していない。プロの視点でそのまま民生機を見てしまうと、も
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