――糖質は、過去および現在において糖尿病治療の観点でどのように扱われてきたのでしょうか 池田 インスリンが発見される1921年以前は、1型糖尿病患者(インスリンを合成・分泌する膵臓のβ細胞が破壊され、インスリン分泌が消失した状態。インスリン注射が必要となる。)が砂糖を大量に摂取すると死に至るケースがありました。血糖値が急上昇して血糖コントロールを急激に増悪させ、そういう日々が続く中で昏睡を起こして亡くなります。この時代の1型糖尿病の治療は、完全糖質制限という非常に苦しい治療が行われてきました。当時は、2型糖尿病(膵臓のβ細胞からのインスリン分泌が低下したり、過食、運動不足、肥満、ストレスや加齢などによって臓器でのインスリンの働きが妨げられることにより発症。)に対してもこれといった治療法がなかったために糖質を制限し、脂肪を多く摂らせる治療法でした。しかし、インスリンが発見された後は、1型糖尿
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