「言葉が思いつかない」のが根本的な問題だ - 人と打ち解けられない自分の何が問題なのかについて、鮮明に気付かされる出来事があった。 私はずっと、会話が適切に進められなかったり、人となかなか打ち解けられないことは、「人と接すると緊張すること」が原因だとおぼろげに思っていた。 違う。まったく違う。 もちろん対人恐怖の側面はあるのだが、根本的な原因は、緊張していることでは断じてないことがわかった。おおもとの問題は、「言葉を発するべきときに、適切な言葉が思いつかないこと」だ。 というのも、会社の外で、ある講演会に参加していたときのこと。その日一日、何人かの講演を聞いていたのだが、終わってから、主催した企業の社員で、面識のある人が私に挨拶しに来たのだ。「暗下さん、今日はいかがでしたか？参考になりましたでしょうか」 私はこの質問を受けて答えようとしたのだが、一日中講演を聞いていて、何も気の利いた感想や、コメントが頭に思い浮かばない自分に気付いた。もちろん、講演の内容
