この記事は、「東洋経済オンライン」 (東洋経済新報社)が2017年8月23日に 掲載した記事の転載になります。 日本を代表するコンピュータ科学者が未来を見通します。 Photograpy/今井康一 現在、急速に商用化が進むAI(人工知能)は、GPUというプロセッサ(半導体)を搭載したコンピュータで、大量のデータを処理することで動いている。GPUは元々、ゲームのコンピュータ・グラフィックスなどを処理する画像処理用半導体で、これがAIなどのコンピュータ・システムに搭載されるようになったのはこの10年のこと。そしてこのGPUコンピューティング(GPGPU)の本格運用に世界で初めて成功したのは、実は日本のコンピュータ研究者だ。 ――コンピュータ研究において、今もっともホットな論点は何ですか? 今のコンピュータというものが、あと10年で限界が来るということです。 ――もうすぐじゃないですか。 202