『生命とは何か』(せいめいとはなにか、原題:What is life?)は、1944年に物理学者エルヴィン・シュレーディンガーによって刊行された著作である。副題は『物理的に見た生細胞』とされている。 概要[編集] 本書は、シュレーディンガーが、1943年にダブリンのトリニティ・カレッジで行った講演を元にして執筆した著作である。彼自身は生物学の専門家ではなかったが、物理学の応用によって生物学の新しい研究領域を構築し、統一的な知識を獲得することを目指して、本書を執筆した。 まず、物理法則とは、ある意味で統計的なものであり、常磁性やブラウン運動などを示しながら、膨大な原子が関係することによって、近似的に成立するものとシュレーディンガーは論じている。つまり、物理学の立場によれば、研究対象としてのさまざまな生物的過程は、大量観察が可能な膨大な原子から成立し、かつ偶発的な原子の働きが過剰な結果をもたら