現実に起きていること 乾電池の寿命が残り少なくなってくると,電圧が下がる.そしてある程度以下に下がったところで,設計された通りには機械が動かなくなり,電池が切れたと判断する. しかし電池の起電力というのは,電池内の化学反応の種類によって決まるのであり,変わらないはずではなかっただろうか. これには幾つかの理由がある.電池の種類によっては化学反応が進むにつれて,元の反応が阻害されるなどして別種の反応が起こり始め,それによって起電力が変化してゆくことがある.そして,それ以外の理由としては・・・,それが今回の話のテーマなのだが・・・,反応する物質が少なくなったり,反応が阻害されたりすることで,徐々に電子を供給する能力が落ちて行き,回路の中に電位差を保っておくほどの電荷が維持できなくなる,というものもある. もし電池が汲み上げた電荷が少しも流れ去らなければ,電池の両端の「電位差」は電池の化学反応の