はじめに 有機化学を長年講義していて感じたことのひとつに,学生の有機化学に対する考え方の変化がある.多くの学生にとって有機化学は「暗記する学問」であるら しい.有機化学をどのように教えたら,興味を持ってもらえるか各教官が試行錯誤しているが,なかなか名案がない.私もその一人であり,未だに結論めいたも のを得ていない. 昭和59年,熊本大学において,1年次の化学概論を担当することとなった.有機化学の基礎を教えるにあたり,化学反応をどのように理解させるか一瞬迷ったが,前年(1981)にノーベル賞を受賞した「フロンティア軌道論」を用いることに躊躇はしなかった. 1年次の後期に15回の講義を担当したが,高校の化学から軌道概念が消えていることを知らずに取り組んだため,初年度はとまどいを感じた.そのことより 前に,学生が化学構造を立体的に捉えることに馴れていないことの方が大問題であった.たとえば,ブタジ
互変異性(ごへんいせい、英: tautomerism)は互変異性体(ごへんいせいたい、英: tautomer)を生じる現象である。互変異性体とは、それらの異性体同士が互いに変換する異性化の速度が速く、どちらの異性体も共存する平衡状態に達しうるものを指す。異性化の速度や平衡比は温度やpH、液相か固相か、また溶液の場合には溶媒の種類によっても変化する。平衡に達するのが数時間から数日の場合でも互変異性と呼ぶことが多い。 互変異性と共鳴は表現は良く似ているもののまったく別の概念である。互変異性は化学反応であり、
闇の脳科学 「完全な人間」をつくる (文春e-book) 作者:ローン・フランク,仲野 徹・解説発売日: 2020/10/14メディア: Kindle版闇の脳科学ってどゆこと? 闇の脳科学があるってことは光の脳科学もあるのか? とか「完全な人間」ってなんだ?? 中田敦彦か?? とかいろいろ思いながら開いて読み始めた本だけれどもいやはやこれがめちゃくちゃおもしろい!! 邦題だけじゃなんのこっちゃわからないと思うが(原題を訳すと『プレジャーショック──脳深部刺激療法の始まりと忘れ去られたその考案者』)、本書は脳に直接電気刺激を与えることによって、うつや統合失調症、同性愛など様々な病気・症状を治療しようとし、数々の人体治療に手を出し、世間や学者らから批判を食らって忘れ去られていったロバート・ガルブレイス・ヒースという科学者の人生とその研究成果。また、こうした脳に刺激を与えることで病気の症状を治療
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