タバコ (Nicotiana tabacum) のカルス(薄緑色の不定形部。モヤシ状の濃い緑色部は再分化個体) カルス(英語: callus)とは、固形培地上等で培養されている分化していない状態の植物細胞の塊。植物細胞の分化は何種類かの植物ホルモンの濃度比によって制御される。このことを利用して、カルスの作製・維持、植物個体への再分化を操作できる。 癒傷組織(ゆしょうそしき)[1]、癒合組織[2]ともいう。 現在、カルスとは前述の通りの意味であるが、もともとは、植物に傷ができたとき、その傷口に見られる未分化状態の癒傷組織のことを指していた。いずれにしても、形成過程の違いこそあれ、「分化していない植物細胞塊」という点で同一のものである。 分化した植物細胞は、G0期という特別な細胞周期にはいり、細胞分裂を行わずに休止している。しかし、このように分化した後でも、植物細胞は分化全能性を保持している。