はじめに 理工学部の学生にとって、フーリエ変換、ラプラス変換は必須の科目であろう。しかし、フーリエ変換については物理的な意味がわかりやすく、変換もきれいなので受け入れられる学生さんも多いのだが、ラプラス変換については「逆変換の積分がなぜ複素平面を「縦」に、しかも軸がずれて走るのかわからない」とか「微分をラプラス変換するとゴミがでるのが気持ち悪い」など、「フーリエ変換に比べると美しくない」と感じる人がいるようだ。 しかし、ラプラス変換とフーリエ変換はきってもきれない仲である。本稿では、あまり話題にされないラプラス変換とフーリエ変換の関係についてまとめておく。 まず、フーリエ変換を定義しておこう。変換前の変数を$x$、変換後は$k$としよう。これは実空間と波数空間に対応する。関数$f(x)$のフーリエ変換は以下のように定義する。 $$ \mathcal{F}[f] \equiv \tilde{