機械特性評価とは何でしょう? 機械特性とは物質の圧縮・引っ張りで得られる特性です。また、衝撃や摺動により得られる特性も機械特性に含まれます。つまり硬さ、引っ張り強度、耐擦過性、割れ難さと言った特性を機械特性と呼びます。薄膜の強度を求める手法として昨今ナノインデンテーション法(または装置を指してナノインデンター)が注目されています。 本ページではナノインデンテーション法の基本原理を解説します。 1. ナノインデンテーション法の測定原理 1.1. 概要 ナノインデンテーション法は、装置によって計測される物理量(荷重と押込み深さ)から、計算のみで硬度を評価する手法です。接触剛性(スチフネス: S )と接触深さ( hc )を求め、硬度・ヤング率を計算します。 ナノインデンターの心臓部である押し込みヘッドは下図のような構造をしています。電磁コイルに流す電流量を制御することで、押し込み荷重(磁気力)を