電気自動車(EV)などのモーターに使用する電磁鋼板の供給が、2025年以降に不足する可能性がある。EV販売が増加する一方、鉄鋼メーカーの供給が追い付きそうにない。自動車メーカーにとって半導体不足に続く部品供給網のリスクになりそうで、EV生産の足かせとなりかねない。鉄鋼メーカーとの関係に影響する可能性もある。 英調査会社IHS Markit(IHSマークイット)が2021年12月、電動車向け電磁鋼板の需給の見通しを示した。軟鋼にケイ素(Si)を添加することで鉄損を抑えられる電磁鋼板は、モーターの鉄心(コア)を構成する中核部材である。その性能がモーター効率に直結し、EVの航続距離を左右する。IHSによるとEVのモーター1基当たり60~150ドル(約6800~1万7000円)相当の電磁鋼板を使用するという。 電磁鋼板には方向性と無方向性の大きく2種類があり、このうち自動車メーカーにとって直接的な