既存のLiイオン2次電池はエネルギー密度と出力を同時に高めるのが難しく、どちらか一方を高めるともう一方が低減してしまう課題があった。その要因は容量を高めようとして正極や負極を厚くすると電子やLiイオンの移動抵抗値が高まるため。同じ電池でも出力を高めるとその影響で実質的な容量が低下する(出所:豊田中央研究所の講演内容を基に日経クロステックが作成) これまでのリチウム(Li)イオン2次電池(LIB)は2次元的だった。その場合、電池の容量は、電極材料の厚みに依存する。 電極材料が同じであれば、厚みを増やせば一定程度までは計算上の容量を増やせる。ところが、電極を厚くすると今度は、電極中を移動する電子やLiイオンの移動抵抗が大きくなり、大きな電流を流すことが難しくなる。 無理に高い電圧を印可して急速充電しても、思うようには電流が流れず、発熱が大きくなる。さらには、厚い電極中の活物質を使い切れず、実質
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