「ハング(hang)はウイルスのようなものだ」。フェリックス・ローネルさんは、ザビーナ・シェーレルさんといっしょに作り出したこの楽器には伝染性があると言う。確かにローネルさん自身、片時も手放したくないといった様子だ。 ソファに座って話す間にも、ローネルさんは隣に置いたこの不思議な形の鉄製の楽器に時々触れ、話に熱がこもると軽く叩いた。 風通しの良い工房に響き渡る音色は、ハングにヒントを与えたカリブ海のトリニダード・トバゴ共和国生まれで、ドラム缶に凹凸をつけた楽器「スチールパン(スチールドラム)」の音に似ている。ハングの試作品第1号は、ドーム状に湾曲した鉄板を二つくっつけたものだった。 おすすめの記事 ザビーナ・シェーレルさんによるハングの演奏 このコンテンツが公開されたのは、 2014/05/22 もっと読む ザビーナ・シェーレルさんによるハングの演奏 ローネルさんは、1976年にベルンの路