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ブックマーク / blog.nagao.nuie.nagoya-u.ac.jp (5)

  • 長尾のブログ2.0: トレーサビリティの恐怖

    以前に、WikiScannerというツールが話題になった。 Wikipediaの編集履歴を、編集者の使用マシンのドメインや項目ごとに検索可能にするものである。 つまり、(非ログイン)ユーザーがどのドメイン(IPアドレス)のマシンでWikipediaのどの項目のどの部分をどのように編集したのかわかるということである。 それによって、そのユーザーの編集の裏にある何らかの意図を読み取ることができる。 これを見て思ったことは、これでWikipediaが荒らされにくくなるだろうということだった。 これと同様の仕組みが、2ちゃんねるなどの匿名掲示板にも適用できるかも知れない。 誰が書き込んでいるかはわからないとしても、どんな組織に所属している者が書いたのかわかれば、内容が事実かどうかの判断材料の一つになるだろう。 しかし、このような技術の先にあるものは、ネット上の個人の活動を不特定多数が容易にトレース

    otsune
    otsune 2008/08/11
  • 長尾のブログ2.0: 集合知 VS 集合愚

    最近、月刊アスキーという雑誌の取材を受けた。 実際は取材というより、僕がアスキーの社に行って、雑談とデモをしてきただけなのであるが。 月刊アスキーという雑誌は、ついこの間、かなり大規模な路線変更を行って、僕を含む多くの読者を驚かせている。 僕も最初、新装丁となったこの雑誌を見て、思わず目を疑ってしまった。 なんだか、日経トレンディとかDIMEみたいな、大衆に迎合しまくりなハイテク情報誌に成り下がってしまったという印象を受けた(ワイアード日語版とかbitとか、好きな雑誌がなくなってしまって、数少ない楽しみな雑誌の一つだったのに)。 あまりにひどい変わりようなので、大学での定期購読を中止してしまった。 でも、知り合いの清水さんに頼まれたこともあって取材を受けることにした。 この清水さんというのは、ドワンゴという会社の元社員で、現在は独立してユビキタスエンターテインメントという会社の社長であ

    otsune
    otsune 2008/06/15
  • 長尾のブログ2.0: 未来の話ができますか(後編)

    人間の脳をダイレクトにコンピュータにつなげるという研究があるらしい。 血管内に挿入して治療に用いるカテーテルを電極として用いて、首のあたりから脳に侵入させるのだそうである。 電極を脳の神経系に直接つなげるわけではないと思うが、頭の皮膚に貼り付けるタイプの電極と違って、頭蓋骨によって減衰することはないし、かなり高い精度で脳内の電気信号を測定できるだろう。 昔から、ブレインマシンインタフェースという研究領域はあったけれど、脳波や脳内の血流を測定して精神生理学的状態を推論しマシンの制御に用いる、という一方向的なものが多かった。 しかし、電極を脳に挿入すれば、おそらく双方向の情報伝達ができるだろう。 ロボトミー(lobotomy)のように人間の感情や意識に多大な影響を与えることになるだろう。 その結果、人間の記憶がマシンを経由して統合されるだろう。 そして、記憶の統合された複数の人間はまるで一人の

    otsune
    otsune 2007/06/08
  • 長尾のブログ2.0 - Webの間違った進化

    前回のエントリーにも書いたが、「ウェブ進化論」(梅田望夫著 ちくま新書 2006)というを読んだ。 そして、世の中をダメにするものの正体が少しわかったような気がした。 僕は基的に、話題になっているからとかベストセラーだからという理由でを手に取ることはない。 たとえば、ちょっと古いけど、「バカの壁」なんていうふざけたは天地がひっくり返っても手に取ることはないだろう。 こんなを書いているあんたの方がバカだよ、と思ってしまう(基的に僕は脳科学者と呼ばれる連中はたいてい詐欺師だと思っている)。 「ウェブ進化論」に対しても初めからよい印象を持っていなかった。 著者が「ネットはコストゼロ空間だ」とかテレビで言っていたのに対しても「そんなわけないだろ」と突っ込みを入れていた。 どんな情報だって物質がなければ存在できないのだから、物質を維持していくためのコストがかかるにきまっているじゃないか。

  • 長尾のブログ2.0: Google、名大に来る

    今週の金曜日に名古屋大学で以下の講演会を行います。 僕は前座なので僕の話はあまり重要ではありませんが、その次のグーグルの高林さんの講演は聞く価値が大いにあると思います。 彼はすごくセンスのいい技術者で、テキスト検索のNamazuやソースコード検索のGonzuiなど、僕には絶対に思いつかない名前のシステムを続々と作り出し、その筋の人には一目置かれている人物です。 彼は、僕が以前に所属していたソニーコンピュータサイエンス研究所というところの研究員をしていたこともあります。 この研究所は少なくとも僕が入社した頃はとても活気があって、わくわくする場所でした。 研究所の一般公開では「ついさっきプロトタイプができました。実はまだデバッグ中です」なんていうシステムをデモしたりしていました。 僕なんか、直前に何日も徹夜してぎりぎりで人に見せられる状態にした、なんてことがよくありました。 研究員のみんなが「

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