──天声人語もポエム化していますか。 「『ウクライナ』という柔らかい響きからは、かすかな麦笛を聞く心地がする」(2014年5月28日付)とかね。 ただ、ポエム化する必然性があるといえばあるのです。新聞記事はもともと5W1Hで書くもので、記事自体は情報を運ぶための乗り物でしかなく、何の装飾もない無味乾燥なものですよね。新聞記者だった人が書いた文章読本には、つまらない装飾はするな、感情は露出させるな、論理的に書け、平明に書け、思わせぶりはするな、といったことが書かれている。要するに、いちばん味わいのない文章が名文だとされていて、実際、ジャーナリズムの世界はそうでもあります。 しかし、天声人語に求められているのは、もう少し叙情や文学的なものでしょう? 新聞の世界で文章術を鍛えてきた人たちが、急に天声人語を担当させられるわけですから、若干、無理があるのです。しかも、天声人語の立ち居地がヘンなのは、
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