今日は日記を書く。 誰がなんと言おうと、まあもちろん誰もなにも言わないけれど、いや誰かが何かを言うかも知れないけれど、そんなことは知らねえ、今日の日記を、ありのままに出来るだけ正確に書くと決めたのだ。 いまこの日記を書き始めたら雷鳴が轟いた。雷鳴は好きだ。ワクワクする。昔、幼い頃に、魚釣りに出掛けた祖父が原付バイクで慌てて帰ってきた。たぶん真夏の、昼過ぎ、夕方近くだったと思う。突然の雷雨が周辺の地域を襲った最中だった。 祖父の目の前で、雷に打たれた人がいたそうだ。黒焦げになって死んでいたと、そう言っていた記憶がある。雷鳴が轟き始めてすぐに、祖父は木陰に隠れて雷が過ぎるのを待っていたという。雷に打たれた誰かは、田んぼの真中を傘を指して歩いていたと、祖父は言った。 すぐに救急には連絡したそうだ。携帯電話などない時代の話、公衆電話か、どこぞの民家から連絡をしたのだろうか。 今日は遅くに起きた。九