(英エコノミスト誌 2014年5月10日号) 規制当局が1つの形態のノンバンク融資を抑制するたびに、別のものが成長し始める。 上海から車で数時間行ったところにある靖江市では、揚子江船業がカナダの船会社シースパン向けに21隻の巨大なコンテナ船を建造している。とてつもなく大きな標識は、「我々は中国で最高の造船所になる」と謳っている。 揚子江船業は昨年30億元(4億8100万ドル)の利益を上げており、間違いなく最も収益力の高い造船所の1つだ。だが、造船から得た利益は、その3分の2程度にすぎない。残りは、委託融資と呼ばれる中国の金融商品を使って、他社に資金を貸し付けることから上げていた。これが揚子江船業を別の業界の最前線に立たせている。シャドーバンキング(影の銀行)である。 今から10年前は、ほぼすべてが国有で厳しく規制されている従来型の銀行が、事実上、中国のすべての融資を占めていた。それが今は、