(英エコノミスト誌 2011年1月1日号) バラク・オバマ大統領が大胆さを発揮しなければ、中東で戦争が起きる現実的な危険性がある。 戦争でもなく、平和でもない。イスラエルと中東の近隣諸国は、通常このような状態にある。しかし、クリスマス直前にバラク・オバマ米大統領による和平交渉が頓挫したように、アラブとイスラエルの和平を仲介する試みが失敗するたびに、平和は脆くなり、戦争の危険が高まる。 残念なことに、是正措置を講じない限り、2011年は、近年なかったような破壊的な戦争に発展する可能性が十分にある。 戦争へと至る根本原因として盛んに論じられているのが、何としても核兵器を手に入れたいというイランの執念と、何としてもイランを止めたいというイスラエルの執念だ。しかし、イランの核開発計画への懸念以外にも、いつ爆発してもおかしくない起爆装置はいくつかある。 例えば、イランと同盟を結ぶレバノンのヒズボラと