中国政府は外国企業に中国への工場移転を促したいと考えている(写真は中国・江蘇省連雲の港で、積み出しのためレアアースを含む土を運ぶ重機)〔AFPBB News〕 コンピューターから電気自動車に至るまで、各種ハイテク製品の生産に欠かせないレアアース(希土類)と呼ばれる鉱物資源の供給を巡って中国と日本が繰り広げている小競り合いは、単なる外交上の衝突を超えるものだ。 この争いの背景には、レアアースの輸出を厳しく制限することで外国企業に中国への工場移転を促したいという中国政府の野心がある。 日本政府が先に、日本向けの出荷がほぼ止まったと述べて以来、レアアース生産の中国独占体制に対する世界的な懸念が急速に高まっている。欧米の輸入業者によれば、ゆっくりではあるが、まだ出荷は続いているという。 日中両国の言い分は異なる。中国政府は、日本への禁輸措置など取っていないと公式に言明しており、先に実施した輸出許可