(英エコノミスト誌 2014年6月14日号) ウクライナにおける汚職撲滅の取り組みは、極めて困難な戦いだ。 政権の座を追われたビクトル・ヤヌコビッチ前ウクライナ大統領がかつて住んでいたメジヒーリアの大邸宅は、キエフ郊外のドニエプル川に面した美しい地区にある。 ヤヌコビッチ前大統領は2月22日、夜の闇に紛れてこの邸宅から脱出した。それ以来、この場所は汚職を象徴する野外博物館と化している。週末には、親子連れが手入れの行き届いた庭園を散策し、前大統領のクラシックカーコレクションやダチョウ動物園の前で写真を撮る。 前大統領の邸宅で発見された膨大な文献のアーカイブ化に取り組むウェブサイト「ヤヌコビッチリークス」の創設者の1人であるアンナ・バビネッツ氏は、敷地内のゲストハウスで腰を下ろし、「文献、数字、政治家のカネの使い道の解明が有する力」について語る。 バビネッツ氏によれば、最初にメジヒーリアの大邸