韓国で元慰安婦の女性12人(故人を含む)が日本政府に損害賠償を求めた訴訟で、ソウル中央地裁は8日、原告の請求を認め、日本政府に1人当たり1億ウォン(約950万円)の賠償を命じた。 韓国で同種訴訟の判決が下されるのは初めて。主権国家は外国の訴訟で裁かれることがないとする国際法上の「主権免除」の原則を元慰安婦に適用するかが争点となったが、裁判長は「被告(日本政府)による組織的、反人道的犯罪行為に対して適用できない」と判断。そのうえで、「原告は精神的、肉体的な苦痛に対し、被告から国際的な謝罪を受けていない」として、日本政府による賠償は妥当だと述べた。 また、財産・請求権問題の「解決」を明記した1965年の日韓請求権協定や、2015年の慰安婦問題解決のための日韓合意では、損害賠償問題は解決していないと指摘した。