チンパンジーと違って人間の乳児は、他者の顔色を見ながら人の行為を理解し、物事を学んでいく-。京都大の明和(みょうわ)政子准教授(発達科学)らのチームが、こんな研究結果を21日付の英オンライン科学誌ネイチャーコミュニケーションズに発表した。 ◇ 明和准教授は「顔色を見ながら学ぶ能力は、人とチンパンジーが進化の道を分けた後に、人が独自に獲得した可能性がある。複雑な社会的環境に適応した学びのスタイルだと考えられる」としている。 チームは、女性がペットボトルに入ったジュースをコップに注ぐ動画を、生後8カ月と1歳の乳児のほか、5~12歳のチンパンジーに見せて視線の動きを調べた。人間では小学生から高校生に相当する年齢という。 乳児が女性の顔を長時間見ていたのに対し、チンパンジーの視線はペットボトルなどの物に集中し、ほとんど顔は見なかった。 人間は、顔と物の情報を合わ