今から10年前は、アニメオタクは「ヤバイ奴」だった。その頃はオタクから「アキバ系」へと名称が変化してきており、妙にテレビで秋葉原が取り上げられることが多くなってきていたが相変わらずワイドショーでは「秋葉原には見るに耐えないポルノが蔓延している!」と批判的に取り扱ったり、未成年による殺人事件があると短絡的にアニメやゲームのせいにして、コメンテーターが秋葉原の映像を見て不快感を示していた。 「ゴクドーくん漫遊記」という、アニメ化までしたライトノベルで小説家デビューした中村うさぎ氏は、デヴィ夫人や和田アキ子、叶姉妹といった調子に乗った芸能人をコキ下ろす「屁タレどもよ!」というコラム集のなかで、なぜか芸能とは関係のないアニメオタクをボロクソに貶す章を書いていた。アニメオタク相手の商売でデビューした人がかつての自身のファンをバカにするなんて、と思ったが文庫化の際にはアニメオタクの章は無くなっていた。