『Re: ゼロから始める異世界生活』というアニメを毎週楽しく観ている。僕は原作は読んでいないのだが、33話まで放映されたアニメの範囲で、ある種の批評性を感じているのでそれについて試論する。「リゼロ」を読んでる/観てる人向けの記事です。 1.「ループもの」から「異世界もの」への連続性と断絶 『Re: ゼロから始まる異世界生活』は小説投稿サイト「小説家になろう」の人気ジャンルである「異世界もの」である。それと同時に、主人公が死ぬと一定の「セーブポイント」に戻り、やり直す「死に戻り」というシステムがある。 この「死に戻り」のシステムはオタク文化において「ループもの」として広く受け入れられてきた。批評家の東浩紀は『動物化するポストモダン』や、その続編にあたる『ゲーム的リアリズムの誕生』でこの「ループもの」について論じている。 東の議論には様々な論点があるが、ここでは「キャラクターとプレイヤーの二層