要旨 理化学研究所(理研)革新知能統合研究センター不完全情報学習チームの石田 隆研修生(東京大学大学院新領域創成科学研究科博士課程)、ガン・ニュー研究員、杉山将チームリーダーの研究チームは、人工知能(AI)[1]を用いた、データを正と負に分ける機械学習[2]の分類問題に対して、正のデータとその信頼度(正信頼度)の情報だけから、分類境界を学習できる手法を開発しました。 本研究成果により、これまで負のデータを収集できないという理由で分類技術が用いられてこなかった多くの分野において、今後、正信頼度の情報に基づく分類技術が適用されると期待できます。 一般に機械学習の分類技術を用いるには、正と負の両方のデータを収集する必要がありますが、実世界では正のデータしか手に入らず、負のデータを収集できない場合が多くあります。例えば、購買予測では、顧客が過去に自社商品を購入した例(正のデータ)は集められますが、