二〇一一年度の国家公務員の採用者数が採用試験直前の五月下旬に四割の大幅カットとなり、公務員を目指す大学生らに大きなショックを与えている。採用者数はこれまで通りなら〇九年度中に決まったはずだが、今回は民主党政権の公務員削減方針を受けて異例の遅れとなった。就職活動中の大学生らの前に突然現れた“狭き門”。学生らの間では「あまりにも唐突。民間企業を併願するには遅すぎる」と怒りや困惑が広がっている。 (橋本誠) 「決定が遅い。一年前とか半年前なら、民間にシフトできたんですが…」。二十日、大卒程度の人が対象の国家公務員2種試験が行われた東京大教養学部(目黒区)。試験を終えた国立大四年の男性(22)が不満を漏らした。 民主党は昨年衆院選のマニフェストで、国家公務員の総人件費二割削減を掲げており、いわゆるキャリア官僚を選ぶ1種試験五日前の四月二十七日、鳩山前首相が採用枠半減の方針を表明。最終的に採用者数の