農林水産省が7日発表した10年の農林業センサス(速報値)によると、日本の農業就業人口は05年の前回調査より75万人減少し、260万人になった。5年間の減少率は22・4%で、現在の調査方法になった85年以降では最大。また、過去1年以上作付けがなく、今後も数年は耕作する見通しのない耕作放棄地が前回より1万ヘクタール(2・6%)増えて、初めて40万ヘクタールに達した。 農業就業人口は90年には482万人だったが、この20年間でほぼ半減したことになる。高齢で農業を続けられなくなった人が増加し、新たに就農する人の数を上回っていることが主因。就業人口の平均年齢は65・8歳と5年間で2・6歳上昇し、初めて65歳を超えた。 ただ、引退する農家が農地を他の農家や農業法人に貸す動きも続いており、法人を含む「経営体」の数で見ると、経営規模が5ヘクタール未満の層が減少し、それ以上の層は増えた。経営体の平均経営面積
口蹄疫(こうていえき)被害者支援のため、自転車で約1500キロ離れた宮崎県を目指している明治大4年、小林大地さん(22)が29日、埼玉県川口市の自宅を出発し、同日夕、毎日新聞横浜支局(横浜市中区)を訪れた。小林さんは「自分が走ることで、たくさんの励ましのメッセージを集めたい」と話している。 同県の畜産業に壊滅的なダメージを与えた口蹄疫。この問題に以前から関心があった小林さんは、在籍する商学部で受講する「ブログ起業論」の仲間らと、被害に遭った人たちに何ができるか話し合った。その結果、全国各地で応援メッセージなどを募りながら、趣味の自転車で宮崎を目指すことにした。 小林さんは自宅を出発後、東京都千代田区の明大キャンパスで同級生らの激励を受け、国道1号を通って県内に入った。1日40~50キロのペースで宮崎を目指し、9月上旬の到着を目指す。小林さんは「宮崎の大学生の中には就学をあきらめる人も出るな
「夫は外で働き、妻は主婦業に専念すべきだ」「母親は育児に専念した方がよい」といった伝統的価値観に賛成する既婚女性の割合が、これまでの低下傾向から一転し、20代を中心に増加していることが31日、厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所の「第4回全国家庭動向調査」で分かった。 調査は5年ごとで、今回は2008年7月に全国の約1万3000世帯を対象に実施。回答が得られた69歳までの結婚している女性6870人を分析した。 調査結果によると、「夫は外で働き、妻は主婦業に専念すべきだ」に賛成は全体で45%で、1993年の第1回調査時(53.6%)から前回の03年調査(41.1%)まで続いていた減少が初めて増加に転じた。 年齢別では、29歳以下が47.9%で前回調査より12.2ポイントの大幅上昇。30代が7.6ポイント上昇の41.7%、40代も6.6ポイント上昇の39.8%。一方、50代は2.5ポイント
【ロンドン会川晴之】欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁ら首脳が、独仏両国を批判し、波紋を呼んでいる。ギリシャ危機に端を発したユーロ危機は、ユーロ圏各国の財政規律の緩みが原因で、その根本には独仏の「ルール違反」があるとの主張だ。 ユーロ圏諸国は、「安定成長協定」で、(1)単年度の財政赤字は国内総生産(GDP)比3%以下(2)累積赤字は同60%以内--などが義務付けられている。違反には制裁金などの罰則がある。 だが、01年にアイルランド、02年にポルトガルがこの規定に違反、欧州連合(EU)の行政府に当たる欧州委員会は02年、ポルトガルへの制裁手続きに入った。だが、翌年、独仏両国が同規定に違反した。ドイツは、東ドイツ統合費用などを赤字から除外するよう強硬に主張し、フランスも同調、05年にこれが認められた。2大国の規律破り容認とともに制裁見送りが決まったことで、これ以後、同協定は空文化してしまっ
26日の東京外国為替市場は、米国の低金利政策の長期化予測から、ドルが全面安となる展開となり、円相場が急伸。1月21日につけたリーマン・ショック後の最高値1ドル=87円10銭を突破し、一時86円50銭台前半まで上昇した。東京市場で86円台となったのは95年7月以来14年4カ月ぶりで、輸出が景気を支える日本経済に暗雲が垂れこめてきた。 米連邦準備制度理事会(FRB)が24日公表した連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨をきっかけに、米国の景気回復には時間がかかるとの見方が強まり、ドルは主要通貨に対して全面安の展開となった。26日の東京市場でも正午過ぎにドルを売る動きが加速。午後0時半過ぎに、前日午後5時比で1円90銭程度の円高・ドル安の1ドル=86円50銭台まで円相場が急上昇した。 FRBは米国経済の見通しについて、「持続的な成長を確認するまでには長ければ5~6年かかる」と慎重姿勢を強調した
「ルイ・ヴィトン」が出店を白紙に戻した土地。「GAP」の入店に向けてビルの建設が進む=東京都中央区で宮崎泰宏撮影 海外の高級ファッションブランドが相次いで日本からの撤退・縮小を決めている。世界のブランドが日本を「プレミアム市場」と位置づけた時代は過ぎ去ったのか。【宮崎泰宏】 ◇経済環境が激変 英フィナンシャル・タイムズは今月7日、イタリアの高級ブランド、ジャンニ・ベルサーチが日本の直営店を既に閉店し、日本法人の事務所も月内に閉鎖すると報じた。 派手な色合いのスーツやネクタイ、腕時計で、元プロ野球選手の新庄剛志さんなどの有名人が愛用していたことで知られるブランド。東京・紀尾井町のホテルニューオータニにあった日本法人の本店に電話すると、「番号は使われていません」のメッセージが流れるだけ。ホテル関係者によると、すでに店舗を閉鎖したという。 三井物産などは5日、英「バーバリー」と結んでいる日本での
学生や主婦など「廃人」25人を取材、「ネトゲ廃人」(リーダーズノート)を出版したジャーナリストの芦崎治さん(55)は言う。「頭がよくて回転の速い人が多い。でもどこかに心の空白があって、ずるずると続けてしまう。バーチャルな世界で時間をつぎ込むほど、レベルが上がって尊敬され存在価値が得られる。一方、現実で生きがいを見いだしにくくなる」 芦崎さんは、ネットゲーム大国の韓国も訪れた。86時間ゲームを続けたことによる死者まで出ている。「韓国では国が主導し、ゲーム業界が10億円出して若者の更生プログラムを組んでいる。日本も早急な対策が必要です」 しかし国内では対策はおろか、ネットゲーム依存者の統計もない。人気ゲーム、FF11を運営するスクウェア・エニックスは「長時間プレーする人が何人いるのか、把握していない。わかっても、外に出す数字ではない」という。 「普段の生活に影響を及ぼさないよう自己管理してくだ
トヨタ自動車の金融子会社、トヨタファイナンシャルサービス(TFS)は3日、国際協力銀行(JBIC)に融資を要請したと明らかにした。米国で展開する自動車ローン事業向けに2000億円規模の融資を求めたとみられる。 TFSは親会社トヨタの信用力を背景に、昨夏まで社債発行や民間金融機関からの借り入れなどで資金を安定的に調達してきた。しかし金融危機が深刻化した昨秋以降、欧米の金融機関が貸し渋りを強め、調達金利の上昇などに苦しんでいた。 JBICは従来、新興国や途上国での事業にのみ融資していたが、金融危機に対応するため政府が特例融資制度を創設。先進国向けの事業にも融資できるようになった。 政府系金融機関への融資要請は、日産自動車や三菱自動車も検討している。【宮島寛】
女子高校生に、丈の短いスカートをはかないよう呼び掛けたポスター=新潟市中央区の市立高志高校で、畠山哲郎撮影 極端に丈の短いスカートをはく女子高校生に身だしなみを考えてもらおうと、新潟県高等学校長協会は「女性の品欠く」などと標語で呼び掛けるポスターを作り、県内の高校に配布した。 電車内で短いスカートで足を投げ出した女子高生に「その足、見られてますよ」と注意したり、「勉強もスカートも、やる気次第でまだまだのびるんだ」と訴えたものなど3種類。美術専門学校に依頼した。 校長の一人は「年の近い専門学校生の作ったものなら、伝わるはず」と期待を寄せるが、ポスターの前を素通りするミニスカの女子高生もみられ、効果の方は気長に待たなくてはいけないかも。【畠山哲郎】
世界的な金融・経済危機が深まり、輸出頼みの成長を続けていた日本経済が深刻な不況に突入している。日銀は22日に公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で09年度の経済成長率をマイナス2%と予測、戦後最悪の落ち込みになるとの厳しい認識を示した。「輸出」「生産・雇用」「消費」の最新データから、景気の急激な悪化の背景と先行きを読み解いた。 日本経済の成長の根源だった「輸出」が、世界的な金融・経済危機の直撃を受けて「壊滅的な状況」(欧州系証券)に陥っている。 財務省の貿易統計によると、昨年11、12月の輸出は2カ月連続で過去最大の減少率を記録。特に12月には、日本経済をけん引してきた半導体、デジタル家電などの電機製品や自動車の輸出が軒並み前年比半分近くに落ち込み、自動車や電機メーカーは未曽有の販売不振に追い込まれた。 日本経済は02年以降の景気拡大局面では、好調な輸出を起点に▽生産拡大▽雇用
麻生太郎首相は12日昼、首相官邸で日銀の白川方明総裁と会談した。世界的な金融危機や深刻化する国内景気情勢などについて意見交換した模様で、政府・日銀一体で世界的な不況克服に取り組んでいく方針を確認したとみられる。 会談は昼食会形式で行われ、中川昭一財務・金融担当相、与謝野馨経済財政担当相、河村建夫官房長官も同席した。首相と日銀総裁の昼食会は、小泉政権時代に定期会談の場として設けられたが、麻生政権では初めて。今回は13日からローマで開催される先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)に向けて、世界的な金融・経済危機に対する政府と日銀の見方や意見をすり合わせる狙いもあったとみられる。河村官房長官は同日午後の会見で「日銀(の白川総裁)から国内外の経済や金融に関する情報や分析を聞いた」と説明した。【須佐美玲子】
日本政策金融公庫の安居祥策総裁は23日の会見で、政府が中小企業の資金繰り支援のため昨年10月に創設した緊急保証制度への申し込みが、現行の保証枠(6兆円)を超えたことを明らかにした。景気後退による売り上げ減などで中小企業の資金繰りが急速に悪化していることを反映したもの。 緊急保証制度は、中小企業への融資に対して全国の信用保証協会が100%の返済保証をつけ、銀行などからの融資を受けやすくする措置。日本政策公庫が制度を支援している。申し込みは今月22日時点で6兆159億円(23万1160件)に達し、保証枠を上回った。うち4兆6982億円(20万6751件)は既に保証が決まっているが、安居総裁は「ものすごい勢いで活用されている」と、申請が一段と膨らむとの見通しを示した。 政府は貸し渋り対策として08年度2次補正予算案に緊急保証枠を20兆円まで拡大する措置を盛り込んだが、ねじれ国会の影響もあり、成立
【ワシントン及川正也】オバマ次期米大統領は19日、地元シカゴ市で記者会見し、貿易交渉を担当する次期米通商代表部(USTR)代表に黒人で弁護士のロン・カーク元ダラス市長(54)を指名すると発表した。カーク氏は自由貿易擁護派とされ、年内の大枠合意が見送られた世界貿易機関(WTO)の多角的貿易交渉(ドーハラウンド)にあたる。オバマ次期政権が保護主義化するとの見方がある中、これを否定する狙いもある。 また、次期政権の労働長官に中南米系女性のヒルダ・ソリス下院議員(51)、運輸長官に共和党のレイ・ラフッド下院議員(63)を指名する人事も発表。閣僚級ではないが、独立機関の中小企業長官に投資会社代表のカレン・ミルズ氏の起用も発表した。この日の会見で閣僚ポストはすべて出そろった。 オバマ氏は選挙戦で国内の雇用保護目的から北米自由貿易協定(NAFTA)の交渉見直しなどを主張した。オバマ氏はカーク氏が「巨大経
◇若い情熱に期待--丹羽宇一郎さん(69) 「株式市場の下落は、そろそろ終わりじゃないですか」 何事も明快に、しかもさりげなく言い放つのがこの人の流儀だ。サブプライムローン(低所得者向け高金利住宅ローン)問題に端を発した米国発の金融危機で、世界中の株価が暴落した。たしかに最近になって、各国とも株価は小動き状態で落ち着いている。それにしても、楽観的ですね。 今回の危機は、丹羽宇一郎・伊藤忠商事会長に言わせれば、「(金の裏付けのない)ペーパーマネーとしてのドルが膨らんで、金融資産経済と実体経済とが乖離(かいり)したために、バブルがはじけたんです」。だから、国内総生産(GDP)と株式時価総額の関係に注目する。 米国では、バブルでない時期、たとえば1970年の株式時価総額はGDPの60%だった。99年ごろのITバブルでは120%にふくらみ、崩壊後は70%に戻った。今回の住宅バブルでも再び120%ほ
国際スワップ・デリバティブ協会(ISDA)は10日、破綻した米証券大手リーマン・ブラザーズを対象にした「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)」の清算価格が元本の8・625%に決まったと発表した。総額約4000億ドル(約40兆円)と見られる同社関連のCDSの価値が9割以上吹き飛んだ形で、保有する金融機関などにとっては打撃となりそうだ。 CDSは企業向け融資や証券化商品が焦げ付いた際に損失を肩代わりする金融派生商品(デリバティブ)で、世界の大手金融機関や投資家の間で取引が急増。ISDAによると、今年6月末時点の取引残高は54兆6000億ドル(5460兆円)。 統計が未整備のため、リーマン関連のCDSをどの金融機関が、いくら保有するかは明らかになっていない。このため、金融機関同士が疑心暗鬼となり、短期金融市場でお金を借りられなくなる一因になった。 市場関係者は「清算価格決定で損失が確定する
25日発表された8月の貿易統計(速報値)で輸出額から輸入額を引いた貿易収支が3240億円のマイナスとなり、正月休みの影響など特殊要因を除くと82年11月以来、約26年ぶりの貿易赤字に転落した。当時は日米貿易摩擦による輸出自主規制が主因だったが、今回は米国をはじめとした世界経済の減速による輸出低迷だけに、深刻だ。大手証券リーマン・ブラザーズの破綻(はたん)など深刻な金融危機に見舞われた米経済は近く景気後退入りが見込まれているほか、欧州やアジアにも打撃が及んできている。輸出主導の回復シナリオが崩れる中、日本の景気後退が長引く懸念が高まっている。 8月の国別輸出実績では、米国向けが前年同月比21・8%減の1兆872億円と、比較が可能な80年以降で最大の減少率となった。低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題が広がった昨年9月以降、12カ月連続の前年実績割れで、日本企業がドル箱として
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く