(英エコノミスト誌 2011年1月15日号) ユーロ圏のソブリン債務問題について、本稿では、最も大きな問題を抱える4つのユーロ加盟国の債務負担の試算を提示する。 ソブリン債務危機に取り組むユーロ圏の戦略は崩壊しつつある。昨年5月には、支援がなければ許容可能な金利で借り入れできない国々を助けるために、一時しのぎのプログラムが導入された。 おかげで短期資金の不足で国がデフォルト(債務不履行)に陥るリスクは低下したが、リスクを取り除くことはできなかった。 しかし、恒久的な救済メカニズムが導入される2013年以降、支払い能力のない国の債務を再編するのが容易になる可能性が出てきたため、債券市場の神経は再びズタズタになった。民間投資家にとってそれ以上に心配なのは、公的な債権者がほかの債権者より優先されそうなことだ。 その結果、救済は、問題を抱えた国の債券を保有する民間投資家の意欲を高めるどころか、かえ