4サイクルの往復ピストン運動をするエンジンのための潤滑システムは、ウェットサンプとドライサンプというふたつのグループに分類することができる。両システムも、オイル溜めからポンプでオイルを吸い上げ、潤滑と冷却の目的でエンジン周囲にスプレーする。オイルはその後、最初のオイル溜めに戻ってくる。 ウェットサンプ潤滑は、コスト効率が高く一般乗用車には最適なので、最も広く利用されている。この設計では、エンジンのオイルは、エンジンブロックの一部としてクランクシャフトの下に置かれたサンプ(オイルパン)に溜められる。オイルパンの容量はエンジンのサイズと目的により3〜7ℓである。オイルはこのパンから吸い上げられ、加圧されてエンジンに供給される。ウェットサンプ設計は、低コスト、軽量、単純などいくつかの利点がある。オイルパンはエンジンの一部なので、オイルをパンからエンジンまで循環させる配管の必要がないため、漏れの可