日本人にとって外国語学習が難しい理由 ── 語学って、言葉によって「学び易さの方向性」があるなと思っています。例えば、友達のフランス人が日本語を勉強しているんですが、日本語の発音が明らかに上手いんですね。どんな日本語を教えてもそれなりにちゃんと発音する。でも逆に、日本人の僕がフランス語の単語を発音しようとするととても難しく、ひどい発音しかできないわけです。これはなぜなのでしょうか? 萩原:発音は自分の母語の影響を受けやすいんです。大人になった時点で自分の母語に無い音の認識・発音が極端に難しくなっちゃうんですよ。最も顕著な例が英語のLとRの発音で、日本語にはない区別なので、日本人には聞き取るのが難しいんです。LやRの他にも、日本語の「あ」に対応する音が英語には4、5種類あるんですよね。平べったい「あ」とか、大きい「あ」とか、ちょっとあいまいな「あ」とか。 そういった意味で、日本語は言語に使う