○「サイバーテロ」の脅威 ある日突然、30人のハッカーが一斉に米国内の通信、電力などの重要ネットワークに侵入し、コントロールスイッチを遮断。アメリカ社会は大混乱に陥った。世界トップレベルのセキュリティ体制を誇る国防総省のネットワークにも踏み入り、全てのデータを入手出来るシステム管理者権限を獲得、最高軍事機密も筒抜けに--。 これは、1997年に行われた米国内重要ネットワークシステムのセキュリティテスト「Eligible Receiver」の結果だ。実験に携わった30人の技術者は、市販パソコンとインターネットで無料配布されているツール、一般に流布しているハッキング知識のみを使い、これだけの"成果"を上げた。実験だけではない。昨年4、5月には、米カリフォルニア州全域の送電を制御するコンピュータシステムにハッカーが侵入を試みる事件もあった。侵入に成功していれば、カリフォルニア州の送電システム全体