システムのリソースを柔軟に増やすことができ、従来にない拡張性を実現できるクラウド技術。その特性を生かすには、独特の設計ノウハウが必要です。 そこでここでは、さまざまなクラウド技術の設計ノウハウを、「デザインパターン」としてまとめます。各種のクラウド技術の制約をうまく回避し、性能を引き出す技や、パブリッククラウドでのコスト削減術を、設計のパターンとして示します。 Force.com編 Windows Azure Platform編 Google App Engine編
前回説明した通り,実際にシステムを利用するユーザーを対象にグループ・インタビューを実施すれば,ユーザーの潜在ニーズを明確にすることができます。しかし,ユーザーの潜在ニーズを明確にしても,それだけでは十分ではありません。 そのままシステムを構築しても,ユーザーテストで「使いにくい」という評価をもらう可能性がまだ残っています。ユーザーの潜在ニーズに基づいて考えた仕様が本当にユーザーのニーズに合っているのかを,確認する必要があるのです。 確認作業をテストフェーズで実施するのでは,遅すぎます。作り直すのに多くの時間と費用が必要となるからです。作り直しても影響が少ないシステム開発の初期フェーズで,ユーザーに仕様を確認するようにしましょう。要件定義から基本設計のフェーズで,ペーパー・プロトタイプを用いたユーザビリティ・テスティングを実施するのが効果的です。 ペーパー・プロトタイプとは ペーパー・プロト
ゴールデンウィークに特に予定のなかった筆者は,「ちまたで噂のGoogle App Engine for Java(GAE/J)とFlexでスケジュール共有ツールでも作ってみよう」と思い立ちました。およそ5日間かけて開発を進めたのち,2009年5月6日に「ご都合.com(画面1)」を公開しました。その後,はてなブックマークやニュースサイトなどでご紹介いただいたおかげで,公開後6日で約2000人の方にご利用いただいています。 そこで本稿では,この「ご都合.com」の開発で実際に筆者が得た経験を通じて,GAE/JによるWebアプリケーション開発の実際とそのポテンシャルについて紹介します。 米Googleが2008年4月に発表したGoogle App Engine(画面2)は,「自分が開発したWebアプリケーションをGoogleのデータセンターで運用できるクラウドコンピューティング・サービス」です
コンピュータメーカーや大手SIerなどによる、再々委託禁止の動きはごく当たり前のものになってきた。 既に富士通や伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)、CSKシステムズ、新日鉄ソリューションズ(NSSOL)などの大手から中堅SIerまでが、3次の下請けを禁じる「再々委託禁止」の規則を導入(表1)。今回の取材で回答を得られなかったが、取引関係のある複数の企業によると、日立製作所も同様の方針である。 NTTデータと野村総合研究所(NRI)、NECは、現在のところ多重下請けを一律には制限していない。ただし、協力会社が外注を活用する場合は必ず報告と許諾を求めるなどして、下請けの管理を強化している。 再々委託禁止より厳しい外注制限を課すケースも出ている。キーウエアソリューションズやシーエーシー(CAC)は2次への業務委託も禁じるようにしたのだ。また、ある中小SIerは「最近、日本IBMの2次下請けと
「コンピュータの計算能力ばかり追求するなど、日本の技術開発の方向性は間違っている」。日本IBMの岩野和生執行役員・ソフトウェア開発研究所長は,クラウド・コンピューティングに対する国内ITベンダーの取り組みをこう批判する。 たくさんのパソコンを活用して高速計算処理を実現させるPCグリッド・コンピューティングや,米アマゾン・ドット・コムが提供するストレージの時間貸しサービスに関心の目がいってしまい、クラウドによるパラダイムシフトを見逃している」という。 eソーシング、ITユーティリティ・コンピューティング、オンデマンド・コンピューティング、クラウド・コンピューティング--。米ITベンダーは次々に新しい言葉を生み出している。意図する内容は少しずつ異なるのだろうが、共通しているのはハードやソフトといったIT資源の共有化である。だが、日本のITベンダーの多くが,これらを「バズワード」(定義がはっきり
カード大手のJCBは2008年11月4日、会員向けWebサイト「MyJCB」など一部のサービスを停止している。同社は基幹系システムを移行している最中で、一部のサービスを計画停止していたが、その再開が遅れている。「MyJCBのサービス再開が遅れているのは、お客様からのアクセス集中が原因。基幹系とは関係ない」(同社広報)という。 現在停止中のサービスはMyJCBのほか、Webサイトでの入会申し込み、ポイントプログラムの商品応募など。これらの多くはシステム移行に伴って一時的にサービスを停止していたが、11月4日午前8時からサービスを再開するはずだった。復旧のメドは未定。 また、資料請求サービス、カード利用代金明細の「備考」欄の各種表示などで不具合が発生している。資料請求サービスの不具合には「資料請求特設ダイヤル」を設けて問い合わせを誘導することで対処している。備考欄の誤表記に関しては、表示上は間
「ITサービス業の経営統合は製造業や金融業とは異なる。百貨店など老舗の小売業に近い」。2008年4月にTISとインテックホールディングスを経営統合して誕生したITホールディングス(ITHD)。岡本晋社長は、両社のブランドを残した理由について、このように語った。 岡本氏は、ITサービス業界の再編・淘汰をいち早く予想した1人だ。1社ずつのシステムを個別に開発する“個社システム”の国内需要が減り市場規模が縮小すれば、パイを奪い合う時代になる。そこでITサービス企業が生き残り、成長するためには経営統合が欠かせないという。「規模拡大によって、開発要員などの動員力やリスクへの耐久力、商品提供力が増すとともに、顧客企業からの信頼や安心感も高まる」(岡本氏)からだ。 ITHDは両社のブランドを残す緩やかな経営統合を選んだ。老舗百貨店と言えば、経営統合後もそれぞれのブランドを生かした活動を展開している大丸と
へぇー、あのベタな受託ソフト開発会社がグーグルとSaaSで協業? えっ、記者会見に登場した富士ソフト副社長って、日本IBMでパソコン事業を担当していた堀田さんじゃないですか! 「富士ソフトがGoogle Appsの企業向け販売を開始」には、ちょっとした驚きがあった。「富士ソフト」「グーグル」「堀田」の三者がうまく頭の中で結びつかない。数年前なら到底あり得ない組み合わせだからだ。 とは書いたものの、SIerや受託ソフト開発会社といったITサービス会社がSaaS事業に参入するのが、最近の流行ではある。直近では日本ユニシスもSaaS事業に本格参入することを表明している。ITサービス会社は以前、いわゆるASPブームの際、安直にブームに乗っかり痛い目に遭った。その後遺症からか、今度は100%間違いないブームが来ているのに、SaaS事業に消極的だった。「こりゃ、ヤバイなあ」と思っていたから、とりあえず
9月7日,ソフト開発をテーマにしたイベント「X-over Development Conference 2007」で,「ビジネスの要求をみたすITのあり方」をテーマに,豆蔵の萩本順三取締役とカシオ計算機の矢澤篤志執行役員が対談した(写真)。「ITが企業のビジネスに貢献する割合は大きくなる一方。技術とビジネスの両面を理解する技術者の育成が課題になる」との見方で,両氏の意見は一致した。 カシオの矢澤執行役員は,「ビジネスの複雑化や高度化によって,情報システムには,素早く柔軟に変化に対応できることが求められている。経営とITの観点から,もう一度企業システムを考え直す時期が来ている」という。 カシオ計算機では10年ほど前から,IT部門が様々なプロジェクトを経験しながらビジネスに貢献し,IT部門の組織のあり方について考えてきたという。従来はパッケージ製品に業務を合わせていた。しかし,他社との差別化と
三重県の地方銀行である百五銀行はWindowsで構築した新基幹系システムの稼働を開始した。マイクロソフトによれば、勘定系を含むフルバンキングをWindowsで構築した銀行は、世界で初めてだという。ゴールデンウイーク最終日の5月6日(日)に稼働を開始し、7日(月)から平日稼働を開始した。現在のところ、トラブルはなく順調に稼働している。 新システムの構築は2003年から始めた。OSに「Windows Server 2003 Datacenter Edition」、サーバー機に日本ユニシスのIAサーバー「ES7000」、パッケージには日本ユニシスの「BankVision」を使っている。 旧基幹系システムは日本ユニシスのメインフレームで稼働していたが、新商品開発のスピード向上や運用コストの削減、周辺システムとの連携などを図るため、Windowsで再構築することを決めた。新システムでは休日の窓口での
出典:日経NETWORK 2006年11月号 35ページより 記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
出典:日経NETWORK 2006年11月号 35ページより 記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
ライト、ついてますか―問題発見の人間学 著者:D.C.Gause、 G.M.Weinberg 出版社:共立出版 価格:2000円(税込み) ISBN:4-320-02368-4 本書は、今はなきコンピュータサイエンス総合誌「bit」に連載された「イーグル村通信」が基になっている。毎回、ありがちなエピソードが紹介され、それについて考察する。 コンサルタントのための入門書ということになっているが、問題解決をするあらゆる人(つまり、人生を送るあらゆる人)に薦めたい。「問題は解決する前に、発見しろ」これが本書の教えである。問題を発見せずにトラブルシューティングに入る人は実に多い。エラーメッセージを読まない。現象を説明できない。そんな状態で問題を解決できるわけがない。しかし、ついやってしまうのも事実である。中には問題ではないのに問題だと思い込むこともある。「その結果、誰がどんなことで困るのか」という
ブルー・オーシャン戦略 著者:W・チャン・キム,レネ・モボルニュ 翻訳:有賀裕子 出版社:ランダムハウス講談社 価格:1995円(税込) ISBN:4-270-000070-8 8月3日に公開した「QCD効率の消耗戦からの脱却」の中で,私は「レッド・オーシャン」と言う言葉を使いました。これは「ブルー・オーシャン戦略」に登場する言葉で,ブルー・オーシャン(青い海)に対するレッドオーシャン(赤い海)です。赤い海とは,血みどろの戦いが繰り広げられる既存の市場のこと。青い海とは,そこを抜け出し,競争自体を無意味なものにする未開拓の市場のことです。魅惑的な言葉だと思いませんか? この言葉を2004年,IWIの安達会長から聞きました。翻訳本が出版される前年です。SI事業は血を血で洗う赤い海です。その赤い海をイノベーティブな技術力で脱出し,青い海で優雅に泳いでいるIWIは凄いな~!と,とても羨ましく思っ
一つ,後悔していることがある。 今年の6月29日,「オブジェクト倶楽部 2006夏イベント」に参加した。オブジェクト倶楽部は,永和システムマネジメントの社員有志が中心になり,オブジェクト指向の実践/研究/発表を目的として作ったグループ。夏と冬に定期的にイベントを開催している。2006夏イベントで6回目となる。 このイベントで,スターロジックの羽生章洋社長が講演した「仕事で必要なことはフローチャートで学んだ」というセッションを受講した。同じ時間帯の裏番組でとても魅力的なセッションがあったのだが,あえてこちらを選択した。羽生氏のプレゼンテーションのうまさをよく知っていたからだ。案の定,おもしろかった。羽生氏がタブレットPCを使ってその場でどんどんフローチャートを書いていく。講演の資料はこちらで公開されているが,これだけではとても伝わらないライブ感があった。 講演の内容はノートにメモしたし,講演
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