東日本大震災で被災した気仙沼、大船渡両線で運行するバス高速輸送システム(BRT)で、JR東日本が旅行客の創出を狙い、導入した観光型バスが29日までに運行を終えた。ボックス席や天窓がある斬新なデザインだったが、利用する高校生らから使い勝手の悪さを指摘する声が相次ぎ、引退に追い込まれた。 観光型バスは2014年3月、気仙沼、大船渡両線で1台ずつ運行を開始。電車をイメージした内装で、車内を明るくする天窓もあった。沿線の観光パンフレットを置く場所もあった。 日中に運行したが、観光客より通勤通学客が多かった。定員は59人で通常のBRTよりも約20少なく、他人と対面するボックス席を嫌う高校生もいた。天窓からの日差しで夏場は車内の温度が上昇。車窓からの景色を遮らないようつり革を付けなかったため、立ち客の利便性も悪かったようだ。 中古車両を改装したバスで、JR東日本は今回、車両の老朽化を理由に廃止を決めた