古典文学『源氏物語』も、大ベストセラー『1Q84』も、マンガ化・アニメ化されれば、規制対象になる―。今年2月に東京都が提出した「青少年健全育成条例」改正案(以下、改正案)が都議会で可決されれば、こんなことが実際に起こるかもしれない。 改正案によれば、18歳未満の「非実在青少年」の性交や性交類似行為が描写されたマンガが「不健全図書」に指定される。「非実在青少年」とは聞き慣れない珍妙な言葉だが、これはマンガやアニメに登場する18歳未満のキャラクターのこと。つまり、都は条例で架空の人物のセックス描写を規制したいというわけだ。 ちなみに小説は規制の対象には含まれない。したがって、主人公と18歳未満の少女との性交が作中に描かれている『1Q84』は仮にマンガにした場合のみ、未成年者に販売できなくなる可能性がある。マンガ家の里中満智子氏が、改正案に疑問を呈する。 「改正案にはいくつかの問題点があるのです