ブックマーク / www.webchikuma.jp (12)

  • 〈1〉富野少年はいかにしてアニメーション監督になったか|富野由悠季論|藤津 亮太|webちくま

    富野由悠季とはどんなアニメーション監督か。「演出の技」と「戯作者としての姿勢」の二つの切り口から迫る徹底評論! 書籍化にさきがけて論の一部を連載します。 今回からはシリーズ「富野由悠季概論」。富野由悠季監督の経歴を時代背景とともに振り返り、アニメーション監督として果たした役割に迫ります。 (バナーデザイン:山田和寛(nipponia)) 宇宙との出会い 現在、アニメーション監督という存在が広く当たり前の存在として世間に認知されている。しかし、このような認知を得るまでには、それなりの長い時間が必要であった。そしてその中で大きな働きを果たしたひとりが、富野由悠季監督である。 富野の経歴を簡単に振り返ってみよう。 アニメーション監督・富野由悠季は1941年11月5日、三人兄弟の長男として神奈川県小田原市に生まれた。名は富野喜幸。富野家は代々「喜」の漢字を継いでおり、喜幸の「喜」の字もそこに由

    〈1〉富野少年はいかにしてアニメーション監督になったか|富野由悠季論|藤津 亮太|webちくま
  • 序 「アニメーション監督」としての富野由悠季を語りたい|富野由悠季論|藤津 亮太|webちくま

    機動戦士ガンダム、伝説巨神イデオン、Gのレコンギスタ……。数々の作品を手がけて熱狂的ファンを生み出してやまない富野由悠季とはどんなアニメーション監督か。「演出の技」と「戯作者としての姿勢」の二つの切り口から迫る徹底評論! 書籍化にさきがけて、論の一部を連載します。  (バナーデザイン:山田和寛(nipponia)) アニメーション監督として語るための2つの切り口 アニメーション監督・富野由悠季について考えたい。ここで重要なのは、この言葉で比重がかかっているのは「アニメーション監督」のほうで、決して「富野由悠季」個人のほうではない、ということだ。富野由悠季という「アニメーション監督」は、その存在感の大きさに比して、十分に語られないうちに長い時間が経ってしまった。 富野は、TVや新聞雑誌などマスメディアに登場することが多いアニメーション監督だ。人気者といってもいいだろう。書籍に関しても、批評

    序 「アニメーション監督」としての富野由悠季を語りたい|富野由悠季論|藤津 亮太|webちくま
  • 民主主義が機能不全に陥ったとき、私たちは何を考えるべきなのか|ちくま新書|梅澤 佑介|webちくま

    民主主義が機能不全に陥ってしまったとき、私たちはどうすればよいのか。民主主義のみならず、それを抑制・補完する原理としての自由主義、共和主義、社会主義といった重要思想を取り上げ、それぞれの歴史的展開や要点を手際よく紹介した梅澤佑介著『民主主義を疑ってみる――自分で考えるための政治思想講義』。同書より「まえがき」を公開します。 †空前の「民主主義」ブーム? ここ数年、「民主主義」という言葉を冠したが数多く出版されています。その内容は民主主義を擁護するものから批判するものまでヴァラエティに富んでいます。同じ立場に立つものであっても、切り口やアプローチはさまざまです。しかも著者を見ると、狭義の政治学者だけでなく、いわゆる文化人と呼ばれるような人たちも民主主義について一家言があるようです。出版業界ではいま民主主義がブームになっているように見えます。 また、民主主義ブームはの世界にとどまりません。

    民主主義が機能不全に陥ったとき、私たちは何を考えるべきなのか|ちくま新書|梅澤 佑介|webちくま
  • 久方ぶりに烈火のごとく怒ったのだが、その憤怒が快いあれこれのことを思いださせてくれたので、怒ることも無駄ではないと思い知った最近の体験について|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま

    久方ぶりに烈火のごとく怒ったのだが、その憤怒が快いあれこれのことを思いださせてくれたので、怒ることも無駄ではないと思い知った最近の体験について 蓮實重彥さんの連載時評「些事にこだわり」第17回を「ちくま」1月号より転載します。昨秋に開催された小津安二郎生誕百二十周年のメモリアル・イベントは、なぜ失望のうちに終わってしまったのか。その二十年前、著者自身も深く関わった生誕百年・没後四十年の記念イベントとの違いを思い起こします。ご覧下さい。 なかには例外的に聡明な個体も混じってはいるが、これからこの文章を書こうとしているわたくし自身もその一員であるところの人類というものは、国籍、性別、年齢の違いにもかかわらず、おしなべて「愚かなもの」であるという経験則を強く意識してからかなりの時間が経っているので、その「愚かさ」にあえて苛立つこともなく晩期高齢者としての生活をおしなべて平穏に過ごしている。ところ

    久方ぶりに烈火のごとく怒ったのだが、その憤怒が快いあれこれのことを思いださせてくれたので、怒ることも無駄ではないと思い知った最近の体験について|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま
  • 料理を学ぶということ|料理人という仕事|稲田 俊輔|webちくま

    料理人・飲店プロデューサーの稲田俊輔さんによる「料理人という仕事」。料理人はいかにして料理を学ぶのでしょうか? 料理学校、働いているお店・・・・・・。料理を学ぶ際の基から伝授します。 「見て覚える」こそが重要 さて、あなたは新人として先ずは調理補助に追われ、それにもだいぶ慣れてきました。スピードも最初の頃に比べて格段に速くなったはずです。指示を待つだけでなく、自分から仕事を見つけてテキパキとこなせるようにもなったでしょう。 もしかしたらそれと並行して、ホールの仕事も一通り体験できたかもしれません。であればラッキーですね。いずれにせよ、そのあたりから徐々に、もっと料理らしい料理を任されるようになっていきます。最初は簡単な仕込みや、既に仕上がっているパーツを組み合わせるだけのことだったりもしますが、もちろん徐々にその内容は高度なものになっていきます。 任せられると言っても、当たり前ですが、

    料理を学ぶということ|料理人という仕事|稲田 俊輔|webちくま
  • 二十一世紀の日本の首都に於ける超高層ビルの林立はその国の凋落を予言しているように思えてならない|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま

    蓮實重彥さんの連載時評「些事にこだわり」第15回を「ちくま」9月号より転載します。延々とつづく渋谷駅周辺の再開発。東横線の地下化はじめ誰も便利になったとは思っていないはずの一連の大工事は都市再開発法によると「公共の福祉に寄与することを目的とする」そうなのだが、当に? との疑問についてお話しさせていただきます。 避けようもない暑い日ざしを顔一面に受けとめながら、タワーレコードの渋谷店で購入した海外の雑誌を手にしてスクランブル交差点にさしかかると、すんでの所で信号が赤となってしまう。階段を降りて地下の通路に向かう方法もあるにはあったが、年齢故の足元のおぼつかなさから灼熱の地上に立ったまま青信号を待つことにしていると、いきなり、かたわらから、女性の声がフランス語で響いてくる。ふと視線を向けると、「そう、シブーヤは素晴らしい」と「ウ」の部分をアクセントで強調しながら、スマホを顎のあたりにあてた外

    二十一世紀の日本の首都に於ける超高層ビルの林立はその国の凋落を予言しているように思えてならない|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま
  • 兵器への偏愛が生んだ一編の批評|ちくま新書|大塚 英志|webちくま

    戦時中、少なからぬ人々が、頭上を飛ぶB-29を見て「美しい」という言葉を残していました。人を殺す兵器を見て美しいと感じる、その感覚と深く向き合った『B-29の昭和史』の書評を、大塚英志さんに執筆していただきました。PR誌「ちくま」に掲載したものより少し長い、完全版です。 ぼくは言うまでもなく「おたく」の類だが、ミリタリー方面には疎く、手先が不器用でプラモデルも苦手だ。模型雑誌に一瞬手を出した時があったが、もっぱら海洋堂の綾波レイのガレージキットの情報が目当てで、買って箱ごと観賞用に飾るだけだった。それでもナチスドイツの戦車や飛行機の模型写真に思わず見とれる時があった。思想的にはぼくはベタなサヨクだが、その「思想」に反して、兵器のデザインを「美しい」と思うことがある。ぼくと比較するのはあまりに不遜だが、宮崎駿もその左派的発言とミリタリーマニアぶりの解離はよく知られている。若き日の宮崎がミリタ

    兵器への偏愛が生んだ一編の批評|ちくま新書|大塚 英志|webちくま
  • ウクライナ戦争が問う我々の人間性|ちくま新書|小泉 悠|webちくま

    ちくま新書『ウクライナ戦争』の著者・小泉悠氏が、戦争について、人間について、悪について、子供たちについて、その質を率直に語った貴重なエッセイ。PR誌「ちくま」1月号より緊急転載いたします。 戦争という現象にはいろいろな顔がある。直接の戦争経験を持たず、軍事オタクとして生きてきた筆者が戦争と聞いてまず思い浮かべてきたのは、「戦闘」だった。巨大な軍隊同士が火力や機動力を発揮して敵の殲滅を目指す暴力闘争。これは間違いなく戦争の一つの顔ではある。 しかし、12年前に子供を持ってから、戦争の別の側面を意識するようになった。子供という、この弱くて壊れやすいものを抱えながら生きていくということは、平時の社会においてもなかなかに緊張を強いられるものがある。すぐに熱を出す、とんでもないことで怪我をする、迷子になる。そういう子供との暮らしに、爆弾が降ってくるのが戦争である。あるいは、子供にべさせるものがな

    ウクライナ戦争が問う我々の人間性|ちくま新書|小泉 悠|webちくま
  • 第2回 野党共闘はどこへ|『武器としての世論調査』リターンズ――2022年参院選編|三春 充希|webちくま(1/4)

    普段ニュースで目にする「世論調査」の使い方を教えるちくま新書『武器としての世論調査』は、2019年6月、第25回参院選を目前に刊行されました。 あれから3年、世論は、そして日はどのように変わってきたのでしょうか。この間の野党共闘の成果と課題を見ていきます。 現行の選挙制度では、小泉政権下などのごく一時期を除いて、自民党と公明党が得た票は全国の投票者の半分に届きません。それにもかかわらず与野党の議席に大差がつくのは、自公が協力して候補者を統一している一方で、野党は複数の候補が競合し票の分散がおきてきたためです。そこで2016年以降、野党は共闘を掲げて多くの選挙区で候補者の一化を行ってきました。特に前回(2019年)と前々回(2016年)の参院選では全ての一人区で与野党一騎打ちの構図をつくりあげて成果を出しています。 しかし22日に公示された今回の参院選では、実質的な与野党一騎打ちとなった

    第2回 野党共闘はどこへ|『武器としての世論調査』リターンズ――2022年参院選編|三春 充希|webちくま(1/4)
  • 第1回 「今」に至る世論|『武器としての世論調査』リターンズ――2022年参院選編|三春 充希|webちくま(1/3)

    普段ニュースで目にする「世論調査」の使い方を教えるちくま新書『武器としての世論調査』は、2019年6月、第25回参院選を目前に刊行されました。 あれから3年、世論は、そして日はどのように変わってきたのでしょうか。この間の内閣支持率などを見ていきます。 この3年のあいだに、新型コロナウイルスの流行や2回の首相の交代など、政治をめぐる情勢は大きく変わりました。6月22日に公示される参院選の前に、今に至る世論の動きを振り返ってみましょう。 1.「辞めるべき時に辞める」という切り札 内閣支持率と不支持率について、各社世論調査の平均を図1にまとめました。赤の太線が内閣支持率、青の太線が不支持率で、線が途切れたところでは首相の交代がおきています。さらに図1には、政治的なできごとに加えて新型コロナの感染のピークを第1波から第6波まで示しました。内閣をめぐる最近の世論が、新型コロナの流行と首相の交代を中

    第1回 「今」に至る世論|『武器としての世論調査』リターンズ――2022年参院選編|三春 充希|webちくま(1/3)
  • オリンピックなどやりたい奴が勝手にやればよろしい|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま

    蓮實重彥さんの短期集中連載時評「些事にこだわり」第1回を「ちくま」5月号より転載します。東京オリンピックは2020のみならず1964もたいがいロクなものではなかった!? どちらかといえばスポーツが好きな人間なので、オリンピックという何やら禍々しい国家的な行事にはあまり関心が向かない。だからといって、その開催に断乎反対というほどの強い執着を持っているわけでもない。やりたい奴がいるなら勝手にやればよろしいというだけの話である。ただ、少なからず存在しているオリンピックへの無関心層を、「日の丸=君が代」騒動に巻き込むなとだけはいっておきたい。その思いは、例えばサッカーワールドカップについてもいえることで、国を背負って優劣を競いあう競技などと、選手たちがそれを意識した瞬間にスポーツであることをやめてしまう。 例えば、いま終わったばかりのサッカー2022カタール大会の二次予選で日がモンゴルを14対

    オリンピックなどやりたい奴が勝手にやればよろしい|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま
  • 日本にとって有益で、立憲民主党には不利益な本|ちくま新書|枝野 幸男|webちくま

    参議院議員選挙が迫ってきました。 『武器としての世論調査』では、各社の世論調査を総合・平均し、選挙前に野党の支持率が一時的に上がる現象――”選挙ブースト”を詳しく分析しています。野党はこの現象をどう捉えているのか。一時的な上昇を力強い流れにすることは可能なのか。 立憲民主党代表で衆議院議員の、枝野幸男氏による書評です。 いま、非常に複雑な気持ちです。これまで私は、ツイッターやnoteで発表される三春充希さんの世論分析を戦略立案の参考にしてきました。このの内容が広く知られると、そのことの優位性が失われてしまう。世論調査の正しい見方が広まることは、政治や民主主義にとっては良いことなのですが……。痛し痒しというところです。それくらい、三春さんの分析は貴重な資料です。 書第Ⅱ部の、衆院選の得票率をもとに市区町村ごとの政党支持率を地図にする研究は面白いですね。私にとって、街頭演説は有権者一人ひと

    日本にとって有益で、立憲民主党には不利益な本|ちくま新書|枝野 幸男|webちくま
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