(2011年12月15日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 狂気とは、異なる結果が出ることを期待しながら同じことを何度も何度も繰り返すことだ――。アルベルト・アインシュタインのこの格言をユーロ圏に当てはめるなら、首脳たちの入院は近いことになるだろう。 先週9日の欧州連合(EU)首脳会議は、悪化の一途をたどる危機への不適切な対応がまた繰り返されたものとして、各方面で物笑いの種になった。しかし、筆者の目を最も引いたのは首脳会議での合意の詳細ではなく(いずれにしても、レトリックが多く具体策に乏しい代物だった)、その前日に欧州中央銀行(ECB)が行った発表だった。 マリオ・ドラギ新総裁は、大半の観測筋が既に発生していると考えているクレジットクランチ(信用収縮)を緩和する対策をいくつも講じた。特に重要なのは、銀行が期間3年の資金を年利わずか1%で借りられるようにすることだった。 欧州の銀行の様子を見