法人税を減税する法律が今月2日に公布され、2012年3月期の企業業績には一時的なマイナス要因となる。(有泉聡) 将来納める法人税額が減り、会計上、戻ってくると見込んで積んだ「繰り延べ税金資産」を取り崩す必要があるためだ。決算上は損失を計上することになり、今期の業績が悪化する企業が増える見込みだ。 トヨタ自動車は今月9日、2012年3月期連結決算(米国会計基準)の業績予想を下方修正し、税引き後利益が8月時点の予想より2100億円少ない1800億円になるとの見通しを発表した。記者会見で小沢哲副社長は、繰り延べ税金資産の取り崩しによる税引き後利益の減少が700億円程度あると説明した。 大手商社の双日も9日、12年3月期の税引き後利益が4月時点に予想した160億円の黒字から120億円の赤字に転落すると発表した。三菱UFJフィナンシャル・グループも繰り延べ税金資産の取り崩しで、12年3月期の税引き後