原子力規制委員会の調査団の報告書案で、日本原子力発電敦賀原発(福井県)の直下に活断層がある可能性が高いと示されたことを受け、日本原電に出資している電力各社に動揺が広がっている。日本原電に廃炉費用を負担する力がなく、電力各社が支援せざるをえないからだ。エネルギー政策の混乱を招いた政府に対し、廃炉費用の請求を検討する動きも出始めている。 「契約していた電気をもらえない上に、廃炉費用も負担することになるなんて…」。規制委の判断に電力大手幹部は頭を抱える。 日本原電は株式の大半を電力9社とJパワー(電源開発)が保有し、発電した電気は東京電力など5社に販売している。電力各社にとって共同開発した日本原電の原発は「自社電源と同じ位置づけ」(電気事業連合会)だ。日本原電が廃炉費用を支払えなければ、少なくとも受電する5社は一定の負担が必要になる。 電力各社は、原発の廃炉に備えて積立金をしており、廃炉が決まっ