鉄道に関するあらゆる権益を握って「独立王国」と呼ばれた中国鉄道省が、17日に閉幕した全国人民代表大会(全人代=国会)で決まった省庁再編で解体された。「日本の国鉄分割民営化を参考にした」(関係筋)とされる機構改革だが、昨年9月末段階で2兆6600億元(約40兆700億円)に膨れ上った鉄道省の巨額債務をどう返済するか。めどは立っていない。 ◆行政と事業を分離 鉄道省は道路や航空などを管理する交通運輸省に統合された上、同省の下に置かれる「国家鉄道局」として格下げ。さらに旅客運輸や鉄道建設を行う国有企業の「中国鉄道総公司」を新設。一体化していた行政部門と事業部門を明確に分離する。 中国鉄道総公司の資本金として、財政省が新たに1兆360億元(約15兆8500億円)を国庫から出資し、鉄道省が保有していた資産と債務と人員の大半を引き継ぐ。同総公司の総経理(社長)には鉄道相だった盛光祖氏が就任した。債務の